企業が利益を追求し続けると、地球や人々に悪影響を及ぼすリスクがあります。健全な経営を実現するためにはESGの観点が重要です。今回はESGの概要をはじめ、企業にもたらすメリット、成功事例などを解説します。企業の在り方やビジネスを見直したい経営者・管理職の方はぜひ参考にしてみてください。
ESGとは?
まずはESGの概要として意味や必要性、類似ワードとの違いなどから解説していきます。
ESGの意味
企業は利益を獲得することで市場経済を発展させています。しかし利益を追求すると、環境や社会、企業自体に悪影響を及ぼすケースも少なくありません。
そこで注目されている言葉がESGです。
ESGとは、Environment(環境)、Social(社会)、Governance(企業統治)の頭文字を組み合わせた造語です。
企業が健全に市場で発展を遂げていくために向き合うべき視点をシンプルにまとめています。
ESGを意識した経営をさす「ESG経営」、ESGに取り組む企業に投資する「ESG投資」などの言葉も登場するなど、経営者やビジネスパーソンの間ではすでに身近な言葉になりました。
ESGの必要性
ESGが必要な理由を詳しく考えてみましょう。
たとえば、いかに優れた乗り物を生み出したとしても、膨大な二酸化炭素を排出すれば地球温暖化を促進させます。
また、商品の値段を安くできたとしても、発展途上国の人々に安い賃金で製造させていれば、誰かが犠牲になっています。
企業が情報を改ざんして広告すれば、消費者が質の低い商品を手にすることになりかねません。不正が発覚すれば企業の信用も失墜するでしょう。
地球と人々の暮らし、企業自体を守るためにもESGは重要な指針です。
ESGで向き合う課題
ESGで向き合う課題の例は下記の通りです。
環境 | CO₂の増加、野生動物の絶滅、海洋汚染、飲み水の汚染など |
社会 | 性別・国籍の差別、少子高齢化、所得格差、過労死問題など |
企業統治 | 汚職、不正会計、取引先の権利問題など |
ESGの観点に立ち返ると、企業が取り組むべき課題が細かく浮かび上がります。
ESGとSDGsの違い
ESGと混同しがちなワードとしてSDGsが挙げられます。SDGsとは、Sustainable Development Goalsの略称であり、持続可能な開発目標のことです。
2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載されました。国際目標として2030年までの達成を目指すことになっています。
「貧困をなくそう」「飢餓をゼロに」「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」など、合計で17個の目標が掲げられています。
ESGよりも方針が細かく具体化されているのが特徴です。また、ESGは主に企業に関連する言葉であるのに対して、SDGsは企業だけでなく個人も対象としています。
ESGが企業にもたらすメリット
ESGによって企業の経済活動が制限されてしまうように感じるかもしれません。しかし、ESGに関する取り組みが企業にメリットをもたらすことがあります。引き続き、具体的なメリットを解説していきます。
メリット1.資金調達がしやすくなる
ESGに関する取り組みを重視して経営すれば、必然的に世の中の課題と向き合うことになります。環境問題や社会問題の解決を望む出資者が集い、資金調達がしやすくなる可能性があります。
メリット2.社員の生産性が高まる
人々が活き活きと働ける社会の実現を目指して、ESGの観点からテレワークを導入したとしましょう。通勤時間を減らせば、社員の負担が減ります。疲れにくい働き方を実現することで、生産性の向上が期待できるでしょう。
メリット3.経営リスクを減らせる
退職者の内部通報制度を設けるなどすれば、社内で不祥事が発生しづらくなります。不正が行えない環境を構築しておくことで、経営リスクを減らせます。
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ESGに関する企業の成功事例
ESGに関する具体的な企業の取り組みが気になった方もいるでしょう。
東洋経済新報社は保有しているCSR(企業の社会的責任)データベースから、ESGの観点などから企業評価を実施してきました。
2021年度のランキングでトップとなったのが、SOMPOホールディングスです。環境分野が97.4点、社会分野が97.5点、企業統治分野が100点という結果となっています。引き続き、SOMPOホールディングスのESGに関する取り組みを確認してみましょう。
SOMPOホールディングス
SOMPOホールディングスでは、「SOMPOグループ コンプライアンス行動規範」を掲げて、あらゆるハラスメントを禁止する方針を周知し、研修を実施しています。
就業規則でも、パワハラやセクハラ、妊娠・出産・育児休業・介護休業に関するハラスメントに該当する行為(あるいは疑われる行為)が発生しないように規定しています。
また、在宅勤務制度やフレックスタイム勤務制度の利用などによる時間外労働の削減も行い、長時間労働のリスクも軽減しました。
このようにSOMPOホールディングスでは、社員が安心して働きやすい環境の実現に向けて取り組んでいます。人々が活き活きと働ける社会の実現に、大きく貢献している企業だといえるでしょう。
参考:
最新「ESGに優れた企業ランキング」トップ200社(東洋経済ONLINE)
ESG経営を推進するならレンタルオフィスもおすすめ!
ESG経営に興味を持ったけれど、具体的に何から着手すべきかイメージが湧かない方もいるでしょう。気軽に始められる取り組みとしておすすめなのが、レンタルオフィスの利用です。
レンタルオフィスは、ビジネスに必要なワークスペースを借りられるサービスです。本社とは別の拠点を確保することで、社員の通勤時間を減らせます。介護や育児をしている方でも無理なく働ける環境を整えるのに便利です。
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RE:ZONE
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個別空間なので、温度も気軽に調整可能です。申込日から最短1週間ほどで利用できます。
社員が快適に働きやすい環境をスムーズに用意したいときに効果的です。
利用前に内覧をして、室内の雰囲気を確かめることもできます。内覧を希望する場合は、下記の専用フォームから予約をしてみてください。
まとめ
今回は、ESGの意味やメリット、企業の成功事例などを解説しました。ESGは、環境・社会・企業統治を意味する言葉であり、健全な経営を実現するために欠かせない観点を示しています。
ESGの取り組みを始めると、社会課題と向き合うことになるため、課題解決を望む人々から投資を受けやすくなる可能性があります。
また、労働環境の課題と向き合えば、結果として社員の生産性が高まり、企業の利益につながる可能性もあります。
労働環境を改善する手段として、レンタルオフィスの利用も効果的です。社員の通勤時間を減らす取り組みとしてぜひ検討してみてください。