起業に向けて経営のルールを学ぶには会社法を知る必要があります。法律の名前は聞いたことがあるけれど、具体的な内容について詳しく知らない方もいるでしょう。今回は会社法の概要をはじめ、学ぶメリットや歴史、改正、条文の例などについて解説します。起業する際に検討したいサービスも紹介しているので、ぜひ最後までご覧になってください。
会社法とは?
会社法の概要や学ぶメリット、学習方法、歴史・改正などについて解説します。
会社法の概要
会社法は、会社の設立や組織、運営、管理のルールをまとめている法律です。979条から成り立っています。細則として会社法施行規則や会社計算規則などもあります。
”第一条 会社の設立、組織、運営及び管理については、他の法律に特別の定めがある場合を除くほか、この法律の定めるところによる。”
要するに会社を立ち上げて経営するときに守らなければならない決まりが定められています。
これから起業をする方やすでに経営者として活動している方は、日頃から内容を確認しておく必要があります。改正があったときに対応できるように備えておくことも重要です。
会社法を学ぶメリット
会社は、株主や株主総会、代表取締役、監査役など、さまざまな立場で成り立っています。そのため経営では、たくさんの立場をふまえて、利害を調整しなければなりません。
その点、会社法は企業の関係者で利害調整を行うためのルールでもあります。
会社法を学ぶことで組織を健全に運営する指針や、不祥事を抑制する方法などを学んでいけるでしょう。
会社法の学び方
会社法を学びたいのであれば、原文を読むのが基本です。
本記事でも条文の例を後述しますが、「e-GOV法令検索」というサイトで会社法の原文が無料で閲覧できるので、利用してみましょう。
ただ、会社法の原文は膨大な量なので、要点を効率的に学びたい方もいるでしょう。
その場合は会社法の入門書を読むのもおすすめです。企業法務のプロが会社法を解説した書籍などがあります。
難しい専門用語を言い換えて解説したり、豊富な図を掲載したりしているので、要点をスムーズにつかめるでしょう。
会社法の歴史・改正
従来は、会社法という法律はありませんでした。「商法第2編」「有限会社法」「株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律」などを総称して会社法とされていました。
2005年に各ルールを統合した会社法(新会社法)という法律が制定され、2006年に施行されることになります。
2015年には親子会社に関する規律が見直され、2021年には上場企業などへの社外取締役の設置などが義務づけられました。
会社をめぐる社会経済情勢の変化に応じて、今後も改正が行われるかもしれません。改正については、法務省のホームページで通知されているので、動向をチェックしておきましょう。
会社法の条文の例
会社法の概要についておおよそご理解いただけたのではないでしょうか。会社法についてさらに詳しく理解するには具体的な条文を知ることも大切です。
ここでは、会社法の条文の例をいくつかご紹介します。
第2条
”第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。”
“三 子会社 会社がその総株主の議決権の過半数を有する株式会社その他の当該会社がその経営を支配している法人として法務省令で定めるものをいう。”
“二十七 吸収合併 会社が他の会社とする合併であって、合併により消滅する会社の権利義務の全部を合併後存続する会社に承継させるものをいう。”
会社法では、会社の種類や会社の合併方法など、経営戦略と密接に関わる専門用語の定義が明記されています。
第26条
”第二十六条 株式会社を設立するには、発起人が定款を作成し、その全員がこれに署名し、又は記名押印しなければならない。”
株式会社設立時の定款作成についても会社法でルールが定められています。
第216条
”第二百十六条 株券には、次に掲げる事項及びその番号を記載し、株券発行会社の代表取締役(指名委員会等設置会社にあっては、代表執行役)がこれに署名し、又は記名押印しなければならない。”
”一 株券発行会社の商号
二 当該株券に係る株式の数”
会社法では、株券の記載項目についての決まりごとも記載されています。
第327条
”第三百二十七条 次に掲げる株式会社は、取締役会を置かなければならない。
一 公開会社
二 監査役会設置会社
三 監査等委員会設置会社
四 指名委員会等設置会社”
会社法では、指定される株式会社は取締役会を置くように義務づけています。
第960条
”第九百六十条 次に掲げる者が、自己若しくは第三者の利益を図り又は株式会社に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、当該株式会社に財産上の損害を加えたときは、十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。”
会社法では、会社の財産に損害を加えたときの罰則も定められています。
会社法を学んで起業を進めるときに検討したいサービス
ここまでの説明で、会社法について全体像をつかむことが、起業でも大切になるとおわかりいただけたでしょう。
もちろん会社法を眺めているだけでは起業できません。職場を確保するなど現実的なアクションを起こす必要があります。
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まとめ
今回は会社法の概要や学ぶメリット、学習方法、歴史・改正、条文の例などを解説しました。
会社法は、企業の設立や組織、運営、管理のルールをまとめた法律であり、979条から成り立っています。定款の作成や、株券の記載項目、取締役会の設置などに関する条文の例がありました。
罰則規定があり、起業して健全な経営を進めるうえで、知らないでは済まされない法律です。起業して会社を経営するのであれば、必ず原文に目を通しておきましょう。