近年、働き方改革の推進によって、オフィスの生産性を高める取り組みが各社で実施されています。オフィスの自由な場所で働けるフリーアドレスもその一つです。今回はフリーアドレスのメリットや課題をおさらいしつつ、フリーアドレスの働き方に役立つ便利グッズをご紹介していきます。フリーアドレスの働き方を改善したい方はぜひ参考にしてみてください。
フリーアドレスとは？
フリーアドレスとは、オフィスの中に固定席を設けない働き方です。
具体的なワークスペースとしては、集中ブース席やカウンター席、ファミレス席などが挙げられます。社員は、ノートパソコンを持ち運んでその日の業務に適した場所で働きます。
引き続き、フリーアドレスのメリットと課題を確認してみましょう。
フリーアドレスのメリット
フリーアドレスのメリットは次の通りです。
コミュニケーションが活性化する
固定席だと席が離れている社員とのコミュニケーションが薄れてしまいますが、フリーアドレスではメンバー同士のコミュニケーションが活性化します。一見プロジェクトとは関係なく仕事をともにする可能性が少ない従業員ともコミュニケーションする機会ができるので、それが新発見につながることもあるのが魅力です。
コワーキングスペースではあえて別企業の人員同士がコミュニケーションできる機会を作ることでアイデアを創出しやすくなるメリットがありますが、フリーアドレスもそれと似たメリットを得られます。対象は社内に限られますが、部署ごとに横断する文化がなかった企業では大きな効果を見込めるメリットがあるので導入するとよいでしょう。
オフィスのクリーンな印象を強められる
取引先関係者が社内に上がったりする場合、オフィス内が汚いと悪いイメージを持たれます。また作業効率性の面でもよいことはありません。
この点フリーアドレスを実行すると、自然とミニマルな社内環境へと改善されていきます。無駄な書類が散らばるといった課題がなくなり、机と椅子などを基本として最小限のモノしか設置されないので余計なモノが見えてしまう可能性がありません。最小限でクリーンな印象を与えられる環境だと、商談等の関係で社内に寄った取引先関係者のイメージもよくなります。ちなみにフリーアドレスを実現していることもアピールできると、進んでいる企業だというイメージも付与できるので高い印象効果を見込めるでしょう。
さらに社内の業務面でも余計なモノがない分作業に集中できるので、業務効率性が上がる点もメリットです。
スペースを有効活用してコストを削減可能
フリーアドレスはオフィスという場所を空間でとらえた場合、空間をフルに利用できるのがメリットになってきます。
従来の固定席方式の場合、席の環境を変えにくいため余計なスペースが社内を圧迫する危険性がありました。これがフリーアドレスになるとオフィス全体を好きに利用できるため、余計なスペースの割合が減りオフィスデザインも向上させることが可能です。空いたスペースにカウンターを用意するといった工夫により、100％に近い形でオフィス内のスペースを使えるようになるでしょう。
また全従業員分の席を用意する必要性もテレワーク推進といったことをしている場合なくなるため、オフィススペースのコストが削減されるのもメリットです。中にはスペース自体を従来のように必要としなくなり、フリーアドレス実現の前後で小さいオフィスへ引っ越しされる方もいらっしゃいます。
情報が共有されて属人化のリスクが減る
フリーアドレスにすると、部署といった区分に関係なくコミュニケーションが促進されます。そしてその際にさまざまな情報が従業員間で共有されやすくなります。機密性の高い情報は共有できないかもしれませんが、共有性という面では属人化を防ぎやすいのはフリーアドレスのメリットです。
従来の会社において特定の従業員に情報が集まってしまい、同じ状態で作業ができなくなるケースは多くありました。それがフリーアドレスによりまんべんなく情報が共有されるため、情報の活用性が上がり誰でも同じように作業が実行できる環境を構築しやすくなります。
こういった特性はツールで情報をあらかじめ共有できるようにする、といった工夫によってさらに強めることが可能です。
フリーアドレスの課題
フリーアドレスには次のような課題もあるので、推進時は注意が必要です。
書類の管理が大変
フリーアドレスでは固定席がないことから、書類を持ち運ばなければなりません。
自分宛の郵便物があるとき置き場所に困るケースもあります。反対に相手の席も決まっていないので、資料を机に置いて引き渡すことも難しいです。手元に書類を用意したまま、机に設置して帰宅ができないのは意外と大変なことです。
解決するためには固定の書類の置き場所を席とは違う場所に作る、あるいはグッズによって簡単に持ち運べるように会社側で準備を行ったりする工夫が必要です。
集中できない従業員もいる
従来の固定席方式の場合、隣の相手が分かっているのでコミュニケーションが取りやすいメリットがあります。また同じプロジェクトで仕事をしている場合には書類のやり取りや情報共有も直接できるので便利です。
しかしフリーアドレスにすると、知らない社員とも隣りになるケースが増えていきます。それは悪いことではありませんが、従業員によっては知らない同僚からの視線が気になる点などは課題になります。人によっては仕事に集中しづらくなってしまうこともあるでしょう。
またプロジェクトが違う場合は近くにいる従業員と業務において書類を配布したり情報を共有したりすることはできないので、業務効率性が準備をしておかないと下がってしまうリスクがあるでしょう。
これを解決するには、場所を変えても快適に働けるようにする工夫も求められます。また席に関係なくコミュニケーションが取れるように、ツールを導入してやり取りの効率性を上げる必要性も出てくるでしょう。
専用の規約等を作る必要がある
固定席からフリーアドレス方式に変える場合、抜本的な社内改革が必要です。たとえばフリーアドレスが問題なく稼働するように、規約作りを行う必要があります。
特にフリーアドレスはテレワーク体制と強い関係性があるので、スペース節約等をしたい場合はテレワークの規約の一環として整備を行う必要があるでしょう。どれくらいの人数が通常在籍して仕事をするのかを分析しながら、必要な数だけフリーアドレス用の席を準備する必要があります。この際既存の家具がフリーアドレスにそぐわない場合、新規購入してそろえる必要がある点にも注意が必要です。
またフリーアドレス開始に伴うコミュニケーションツール導入に関しても、その使い方や注意点、問題があったときの連絡場所などを明記しながらルールを作る必要があります。事前に余裕を持って規約立案者や設備の準備をしながら、フリーアドレスに移れるようにじっくり作業を進めておきましょう。
業務環境や内容によって実行の向き・不向きがある
フリーアドレスはどんな企業にも適した働き方ではありません。
たとえば機密情報が多く外部への持ち出しや関係ない従業員への提示などが禁止されている企業は、フリーアドレスでセキュリティが大きく落ちるリスクがあるため導入が難しくなります。またデジタルではなく実物を見ないと作業チェックができなかったりする仕事では、フリーアドレスにするとプロジェクト関係者を固めて席を作ることができないので作業が難しくなってしまうでしょう。
業務形態・方式を変更すれば実現できる場合はフリーアドレスを進めても構いませんが、業務性質上できない場合は別の方法で働き方改革を検討する必要性もあるでしょう。
フリーアドレスに役立つ便利グッズ6選
ここまでフリーアドレスの概要とともにメリットをお伝えしましたが、フリーアドレスには課題もあることがおわかりいただけたでしょう。
フリーアドレスの働き方に役立つ便利グッズについて紹介しますので、ぜひ導入を検討してみてください。
便利グッズ1．オフィスキャリングバッグ BiZiCAL（ビジカル）
BiZiCALは、社内の持ち運びに便利なオフィス用キャリングバッグです。
本体上部に筋押し加工が施されており、大きく開きやすくなっています。ファイルのような収納物もスムーズに出し入れできるでしょう。
正面の薄型ポケットには、A4サイズの書類を収納できます。両側側面の小物ポケットにはペンやスマホなどを収納可能です。
マチ部分を広げると自立するので、使わないときはロッカーにスッキリ収納できます。
便利グッズ2．otobaco（オトバコ）
otobacoは、卓上スタンドになるコンパクトタイプの箱型筆入れです。
ケースを開くと、メイントレーやサブトレー、ペンホルダーを展開できます。使用中のペンを仮置きしたり、付箋を置いたりできます。
滑り止めのマットも搭載されており、スマートフォンを縦置きすることも可能です。動画の閲覧やWeb会議の参加にも便利です。
目の前に小さなワークスペースを展開すれば、フリーアドレスでも事務用品が散乱しにくくなるでしょう。
便利グッズ3．ori-pact（オリパクト） マルチスタンド
ori-pactシリーズのマルチスタンドは、幅広い用途に使える折りたたみ式の万能小物スタンドです。ヘッドセットやイヤホン、タブレットなどの仕事道具をすっきりと管理できます。
本体内部はフリースペースとして活用でき、付箋やケーブル置きなどにピッタリです。
スタンドを使わないときは、薄いプレート状に折りたためるので、収納にも困りません。
カラーはグレーとネイビーの2種類です。いずれも落ち着いた色合いなので、さまざまなワークスペースに溶け込むでしょう。
便利グッズ4．デスクパーテーション クランプ式
デスクの板にはめ込んで直立させられるデスクパーテーションです。
差し込み部分はクランプ式になっており、デスクとの接着をネジでしっかり固定できます。単なる自立式のパーテーションと違って、風や衝撃によって倒れない点が便利です。
脚のすき間をつくることなく直立させられるので、手元の作業も周囲から見られることはありません。
フリーアドレスで知らない社員からの視線が気になってしまう場合に役立ちます。
便利グッズ5．ミーティングホワイトボード
ミーティングホワイトボードは、道具を使わずにサッと広げて組み立てできるホワイトボードです。
取っ手がついているのでスムーズに持ち運べるので、好きな場所でミーティングを実施できます。ペンやクリーナーは本体のポケットに収納可能です。
ホワイトボードがある部屋を確保できないときに重宝するでしょう。
便利グッズ6．パーソナルロッカー L-rage
A4ファイルやバインダー、ノートPCなど、さまざまなオフィス用品を収納できるパーソナルロッカーです。
投函口のあるタイプを活用できるので、フリーアドレスでも書類の受け渡しがしやすいです。電源コードを配線できるタイプを選べば充電環境としても利用可能です。
フリーアドレスで持ち物管理の拠点を構築するうえで欠かせないアイテムとなるでしょう。
フリーアドレスを成功させるポイントとは？分かりやすく解説
フリーアドレスを成功させるには、次のポイントを踏まえておくことが重要です。
目標・意義を社内で共有しておく
フリーアドレスを成功させる際には、従業員が持つ
・部下の居場所が分からない
・自分の場所が固定でないことに不安がある
・業務効率性を確保できるか疑問
といった不安を解消する必要があります。
そのためには経営層や推進担当者が、現場と会議をしたりディスカッションをしたりする場所が必要です。事前に時間を確保して説明を行い、フリーアドレスになっても問題がないという理由を共有することが重要です。
運用体制を構築する
フリーアドレスは意識して別の場所に座る癖が付いていないと、結局固定席方式になって失敗するリスクがあります。そうならないようにルール作り等をじっくり実行するのが重要です。
・席へ座る前にどこへ座りたいのかエリア希望を取るか取らないか
・何日も同じ席に座るのを状況によって禁止するかしないか
・書類は机ではなくどこに保管すればよいか
といった点をよく考えてルールを整備するとよいでしょう。
また通常の座席数をどれくらいにするのかも重要です。ここを間違えると余計な席ができたり座れない状況ができてしまうので、従来の稼働状況等を踏まえて少し余裕のあるレベルで席を用意すると安心です。
ツール・グッズを用意する
フリーアドレスの効率性を向上させるには、ツールやグッズを用意して整備する必要もあります。
たとえばどこにいても情報を気軽に共有してメンバー同士で仕事をするには、チャットツールの活用が有効です。書類や映像データ等も共有して必要なメンバー間だけで使えるので、セキュリティ性を確保しながらフリーアドレスを進められます。
また先ほどご紹介した便利グッズも、フリーアドレスでの働き方を推進してくれるモノです。まずは費用の掛からない手軽なモノから試してみて、効果があるのか実感してみてください。
フリーアドレスの働き方を広げるにはレンタルオフィスも検討！
フリーアドレスは、オフィス内で自由に位置を変えて働ける仕組みであることをご説明しました。しかし、育児や介護などのさまざまな事情で、そもそもオフィスに通うのが難しい場合もあります。
そこで役立つのがレンタルオフィスです。通常の拠点とは別にビジネス環境が整ったオフィスをまるごとレンタルできます。
社内だけでなく社外にもワークスペースを確保できるので、フリーアドレスの働き方をさらに広げたいときに有効です。
レンタルオフィスの利便性を知っていただくために、引き続きRE：ZONEというサービスをご紹介していきます。
Re:ZONE
Re:ZONEは、1部屋29,700円からビジネスに必要なプライベート空間を確保できるレンタルオフィスサービスです。
デスクやチェア、インターネット環境などが整備されており、スムーズにワークスペースを確保できます。
社外のビジネススペースだと、情報漏えいや盗難などのトラブルが気になる方もいるかもしれません。
その点、RE：ZONEでは共用部分に防犯カメラを設置しているほか、入室管理にスマートロックを導入しており、強固なセキュリティ体制を構築しています。
オフィスの内装については内覧で確認できるので、気になった方は専用フォームから申込みをしてみてはいかがでしょう。
