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経営権の譲渡とは?保有割合と基準・主な譲渡方法や注意点を解説

法人の方向けコラム

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企業経営においては、事業や組織の拡大、利益の確保、株主との関係性などさまざまな面に意識を向けながら、その時々で必要な選択を下し続ける必要があります。場合によっては、経営権の譲渡を検討する場面も出てくるでしょう。

本記事では、経営権の基礎知識から譲渡する主な方法、持株比率ごとの基準、譲渡における注意点などについて解説します。企業にとって最適な経営判断を行うために必要な知識を、ここで押さえておきましょう。

経営権とは?経営者が保有する経営判断を行うための権利

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経営権とは、「経営者が会社の経営判断を行う権利」のことです。法律によって明確に定義された言葉ではないものの、一般的には経営プロセスにおけるさまざまな事柄の指揮・管理・決定ができる権利を指します。

経営権を保有する者が経営者であり、通常は会社の経営者が経営権を掌握すると考えます。ただ、経営者を選任するのは株主で、経営者は株主の代わりに会社を経営するため、多くの株式会社においては株主が真の意味での経営権を保有していることになります。

経営三権とは

経営権について考える際には、経営三権についても理解が必要です。経営三権とは、労働者や労働組合の合意がなくても、企業側が自由に行使できる権利のことです。具体的には、以下の3つの権利が該当します。

  • 業務命令権:会社の経営方針や事業内容を決定し、労働者に対して業務に関する事項を指示する権利
  • 人事権:役員や取締役の任命、従業員の異動など労働者の人事に関する処遇や組織体制を決定する権利
  • 施設管理権:企業保有の施設や設備を含む財産の活用・管理、侵害の排除について決定する権利

経営権と議決権の違い

議決権とは、株主総会の決議で賛成・反対の意思表示ができる権利です。1株あたり1議決権が原則で、保有株式の数だけ議決権は多くなり、経営に関する決定事項への影響力が大きくなります。

経営権と議決権はいずれも企業の経営に影響を及ぼす権利ですが、経営権は経営者が保有するのに対し、議決権は株主が保有する権利という違いがあります。

一般的には、事業経営に関わる権利を行使できる場合は、企業を経営する権利があるとみなされます。つまり、議決権を左右する株式をどのくらいの割合保有しているかが重要です。ただし、株主総会で経営の方向性を決める意思決定に影響があっても、実際の企業経営における細かな意思決定は経営者が行います。

経営権と支配権の違い

支配権とは、企業のあらゆる重要事項について、単独で決定できる権利のことです。経営者に代わって株主側が「特別決議」を成立させられる状態になった場合、株主が支配権を確保したとみなされます。

特別決議は、株主総会において、議決権のある株式の保有割合によって株主が得られる権利の1つです。詳しい保有割合については後述しますが、経営権は経営者の権利であり、支配権は株主の権利である点が一番の違いです。

経営権譲渡の主な方法2つ

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経営権の譲渡とは、後継者や第三者に企業の経営権を譲渡することです。株式会社では、企業の経営権を真に保持するのは株主であるため、「経営権の譲渡 = 議決権のある株式の譲渡」を指すケースが多く見られます。

経営権を譲渡する方法はいくつかありますが、よく用いられるのが「株式譲渡」や「株式交換」の2つです。それぞれのスキームについて見ていきましょう。

株式譲渡

株式譲渡とは、個人または企業が保有する株式を譲渡する際に、経営権を移転する契約です。企業側は譲渡の際に受け取った株式の対価を、株主に支払います。また、株式譲渡契約書の作成・締結と、株主名簿の名義書換を行うことで譲受された企業に議決権が移行し、経営権の譲渡が完了します。

なお、譲渡会社として認められる法人は株式を発行している株式会社、もしくは特例有限会社のみです。ただ、譲受できる会社は、上記以外も含まれます。

株式交換

株式交換は、株式を譲渡する企業の全株式と、譲受する企業の株式の一部などを交換する契約です。会社法における組織再編行為に該当する方法で、譲受する企業側が譲渡企業の株式を100%保有することで、結果として親子関係が成立します。

グループ企業の形成や再編のためなど、株式譲渡とは異なる目的で経営権譲渡に用いられることが大半です。

経営権の譲渡と経営権を有する基準

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前述の通り、議決権のある株式の保有割合によって、株主が持つ権利が変わります。具体的には、以下のように決められています。

  • 議決権保有割合が3分の1超:株主総会の「特別決議」に単独で否決可能(取締役の解任や自己株式の取得など)
  • 議決権保有割合が2分の1超:株主総会の「普通決議」に単独で可決可能(代表取締役の選定・解職や役員報酬の決定など)
  • 議決権保有割合が3分の2超:「普通決議」と「特別決議」を単独で可決可能(株式の併合や定款の変更など)

上記に加え、株主がすべての株式を保有し議決権の割合が100%となった場合には、完全経営支配権を有している状態になります。

経営権を譲渡する際の注意点

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経営権の譲渡については、さまざまな立場の人や契約が関係しているため、トラブルになるケースも少なくありません。適切に進めるために、経営権の譲渡における注意点を解説します。

株式の譲渡制限の有無

株式の譲渡制限とは、定款により株式譲渡に関する制限を設けることです。譲渡制限のある株式は「株式譲渡制限株式」と呼ばれ、すべての株式に譲渡制限を付けている企業は「株式譲渡制限会社」と言います。

多くの場合、望まない第三者の手に経営権や支配権が渡ることを回避する目的で活用されています。株式に譲渡制限がある企業では、取締役会や株主総会の承認を得るまで株主は譲渡ができません。日本国内の中小企業は、ほとんどが株式譲渡制限会社であるため、M&Aでは譲渡承認請求を行う必要があります。

経営権が移動しないケース

経営権の譲渡の主たる方法である株式譲渡でも、M&Aスキームによっては経営権の移動を伴わないものもあります。例えば、事業譲渡では企業が経営する事業の一部またはすべてを譲渡するだけであり、経営権や法人格は残ります。そのため、企業は継続して法人経営を続けることが可能です。

また、複数の企業が業務上の提携関係を築く「業務提携」や、資本面で提携する「資本提携」の場合にも、経営権は移行しません。なお、業務面と資本面両方で協力する「資本業務提携」においては、お互いが株式を持ち合いますが経営には影響せず、経営権も移行しません。

経営権譲渡に向けて計画的に進めて成功させよう

企業を経営する権利である経営権は、一般的な株式会社においては株主が保有するとみなされますが、議決権のある株式の保有割合によって具体的な権利は異なります。経営権を譲渡する方法は、株式譲渡や株式交換が一般的です。

支配権や事業譲渡など、似た意味を持つ用語も多いため、経営権譲渡について正しく理解し、計画的に進めることが大切です。

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