ハウスクリーニングは、資格や実店舗が不要で、少ない初期コストで独立開業できるため注目を集めています。業界全体における需要が年々高まっていることもあり、ビジネスへの算入を考えている人もいるでしょう。
本記事では、ハウスクリーニングで独立する方法や年収の目安、必要な経費、メリットや注意点について詳しく解説します。独立開業でよくある失敗を回避して、ビジネスを軌道に乗せるためにぜひ参考にしてください。
ハウスクリーニングで独立開業する方法
ハウスクリーニングとは、マンションや戸建て住宅、施設などの内部クリーニングを行う事業です。ハウスクリーニング業で独立する方法としては、個人で開業する方法とフランチャイズに参入する方法の2パターンがあります。
それぞれの特徴やメリットを踏まえ、自分に合った独立開業のやり方を選びましょう。
個人で独立開業する
ハウスクリーニング業を個人で開業する場合、個人事業主または法人としての開業届を提出して事業を開始します。独立開業に必要な資格や免許はなく、事業内容について法的な制限は存在しないため、基本的には事業内容は自由に決められます。
ただし、車両や掃除用具の準備、スケジュール、経理まですべて自分で管理する必要があります。継続的な事業運営には集客が重要になるため、活動エリアのターゲット層やニーズを正しく理解し、競合他社との差別化を意識しながらビジネスプランを考えることが大切です。
フランチャイズで開業する
フランチャイズとは、本部が運営する事業に加盟店として参加するビジネスモデルです。加盟店は、店舗名や経営ノウハウなどを利用して事業を運営できる代わりに、ロイヤリティを本部に支払う仕組みです。
知名度の高い本部のビジネスネームを使うことで、スムーズな集客につながります。また、経営や商売のノウハウを共有してもらえるため、未経験でも始めやすい点がメリットです。
ただし、参加している間はロイヤリティの支払いが発生するため、利益を得るために仕事量を確保する必要があります。また、仕事内容や宣伝方法など細かな制約が多く、自由度は比較的少ないでしょう。
ハウスクリーニング独立後の年収・売上
ハウスクリーニングで独立開業した場合の年収は、約400〜500万円と言われます。ただし、サービス内容やターゲット層など条件によって、実際の収入は変わります。
また、フランチャイズの場合、ロイヤリティを売り上げから差し引くため、個人の年収に影響する可能性があります。
ハウスクリーニングの開業にかかる資金
ハウスクリーニングの独立開業に必要な費用は、主に初期費用とランニングコストの2つに分けられます。各費用の詳細を見ていきましょう。
初期費用
独立開業時にかかる初期費用の内訳と金額の目安は、以下の通りです。
- 清掃道具一式:20万円
- 広告宣伝費(ホームページ制作、SNS広告など):20〜30万円
- 店舗や事務所の家賃:120~200万円
- 車両費:100〜200万円
- 備品費:10~100万円
自宅を事務所とし、手元にある清掃道具や車両を使う場合は、上記の一部費用はかかりません。また、フランチャイズの場合は、研修費や加盟店手数料、コンサルティング費用などが別途発生します。
ランニングコスト
ランニングコスト(運営費用)の主な内訳を、以下に示します。
- 消耗費(洗剤など):10万円
- 車両関係費(ガソリン代、オイル交換、車検など):2万円
- 広告宣伝費:5万円
- 従業員を雇う場合の人件費:25万円
- 事務所や店舗の家賃:20万円
フランチャイズの場合は、毎月のロイヤリティなども別途発生します。
ハウスクリーニングの独立開業に資格は必要?
ハウスクリーニング業で独立開業する際に必要な資格はありません。また、行政の許可や免許なども不要で、基本的には誰でも自由に開業できます。
ただ、未経験でも参入しやすい分、競合他社との差別化が重要です。知識やスキルを身につけるために、民間の資格を利用する手もあります。
ハウスクリーニング独立開業のメリット
ハウスクリーニングで独立開業するメリットとして、主に3つの点が挙げられます。
初期コストが他の事業よりも少ない
ハウスクリーニング業は掃除用具一式と移動手段があれば、すぐに始められるため、初期費用を抑えられます。また、他業種に比べて開業や経営の費用が安く済むため、利益を生み出すまでの時間を短縮できます。
業界全体のニーズが大きい
ハウスクリーニング業界全体としての需要は年々増加傾向にあり、今後も成長し続けると予測されています。
主な理由として、少子高齢化の加速に伴い、高齢者からの需要が高いこと、そして、共働きや1人暮らしの人からの家事代行が増えていることの2つが挙げられます。また、コロナ禍を経て、人々の衛生意識が高まったことも、需要の拡大を後押しています。
特別な資格や免許が不要、未経験でも始めやすい
ハウスクリーニング事業は資格や免許が不要なため、未経験であっても道具が揃えばすぐに活動を始められます。ただ、仕事をこなすための最低限の知識やスキルは必要なため、民間の資格試験や講座などを利用して習得する必要があるでしょう。
ハウスクリーニング独立開業後によくある失敗を避ける対策
ハウスクリーニング業を始めるにあたって知っておきたい注意点を紹介します。
ターゲット層を明確化し集客方法を習得する
独立開業でハードルになりやすい要素の1つが、集客です。ハウスクリーニング業を立ち上げたとしても、依頼が入らないと売り上げは得られません。また、業界全体での需要は高いとはいえ、参入しやすい分ライバルも多いため、自社の強みをうまくアピールする必要があります。
スムーズな集客には、誰に向けたサービスなのか、ターゲットとなるユーザー層を明確にすることが重要です。活動エリアにおけるニーズや属性を調査し、ニーズに合ったサービスを提供できる状態を構築しましょう。また、ターゲット層に合わせた集客方法を選び、長期的な戦略を持って継続的に進めることも大切です。
資金ショートを避けるために融資も検討する
独立開業時には、金融機関の融資も検討しましょう。銀行や信用金庫などの民間金融機関は、通常は担保や保証人が必要で、返済能力を証明するための審査もあるなど、ハードルが高めです。
一方、日本政策金融公庫などでは、創業融資など開業時に利用できる融資も用意されています。民間の融資に比べて比較的審査が緩やかな制度も多いため、開業資金を調達したい場合には申請できるものがないか探してみましょう。
ハウスクリーニングの独立開業を成功させよう
ハウスクリーニングは、特別な資格や経験が不要で、未経験でも独立開業しやすいビジネスの1つです。業界全体としての需要は右肩上がりと言われており、安定的に仕事を受けられる可能性が高いと言えます。
とはいえ、独立する前には開業届の提出や道具の準備、事業計画などのステップを踏む必要があります。また、集客に躓いてしまうと赤字のリスクがあるため、戦略的に考えてビジネスを運営することが大切です。
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