もしオフィスで勤務して雇用される形態から個人事業主への転向を考えている場合は、事前に何を準備しておくべきかを理解しておく必要があります。
- 金銭面
- スキル面
- 手続き面
といったさまざまな面で準備する項目はたくさんあるので、特に重要なことを中心に開業前準備を行うとよいでしょう。
今回は個人事業主への転向を考えている方向けに、やることリストとして準備しておくべき項目をご紹介していきます。
個人事業主になるときまず確認しておくべきこと!やることリストを見る前に確認を
やることリストを確認する前に、個人事業主として改行を検討する際の注意点を確認しておきましょう。
独立する必要があるか
勘違いしている方もいらっしゃるかもしれませんが、実は個人事業主として開業を行う際に、必ずしも会社を辞める必要性はありません。法律的には雇用を継続しながら、開業として個人事業主としての活動を行ってもよいことになっています。
そこで、もし万が一のために雇用も継続しておきたいと考えている方は、事前に会社側の就業規則で副業が認められているかチェックしておいてください。個人事業主として事業を軌道に乗せられるスケジューリングが完全にできている方は辞めても構いませんし、もし開業後の継続性に心配があると思っている方は辞めずに開業するほうがよいでしょう。
ただし就業規則によっては、副業が認可されなかったり開業ができなかったりする可能性があります。その場合は辞めても大丈夫なように、しっかりやるべきことリストを確認してみましょう。
屋号をどうするか
屋号というのは、法人における会社名に該当する項目です。屋号については決めておくと、
- プライベートと事業の金銭的な区別が付きやすくなる
- 屋号をブランドとして外部へアピールできる
- 法人化して会社へなる際にそのまま活用できる
といったメリットがあります。
登録しないでも開業はできますが、基本的には屋号を定めてから開業する方のほうが多いです。事前にシンプルで分かりやすい屋号を考えて、できれば宣伝用のロゴ等まで制作できるとより安心して事業を始められます。
税の申告方法をどうするのか
税の申告方法も重要です。会社が源泉徴収等で税を代理申告していたときとは違い、個人事業主の場合は自身で収益や経費等の計算を行ってから税額を申告する必要があります。
そこで
- 簡単な分メリットが少ない白色申告
- 少々難しい分メリットが大きい青色申告
のどちらかを選択することになります。
結論としては、青色申告のほうがおすすめです。なぜならば白色申告では記載が簡単な分最高10万円までしか税控除が受けられないデメリットがありますが、青色申告だと
- e-tax込みで最高65万円の税控除が受けられる
- 青色申告形式で帳簿を付けるとよりお金の流れが分かりやすい
- 固定資産をまとめて1年で計上できるといった特例を適用できる
といったメリットが得られるからです。
青色申告では貸方と借方へ分けながら、お金の流れを管理したりする手間が掛かりますが、専用ツールを使えば自動で計算できる項目が増えてすぐ計算が終わります。ツール導入を検討する作業も行っておきましょう。
個人事業主として開業する際にやることリストまとめ!特に重要な点を中心に解説
ここでは個人事業主として開業する際に実行すべきことをまとめていきます。
金銭面
金銭面では次の点を確認しておきましょう。
必要な設備を準備する
個人事業主として開業する際は、必要設備を準備して買い込んでおきましょう。
たとえばエンジニアとして独立する際は、
- PC
- スマートフォン
- 自宅回線
- 開発ツール
- その他周辺機器
などを用意する際にお金が必要です。
中古品等を活用して経費を節約することもできるでしょうが、スペックや状態をよく確認して購入を検討してみてください。
またテイクアウトフード業を営む場合は
- テイクアウト用の容器
- 食材
- キッチン
- 調理器具
などを用意する必要があります。
開業したらすぐ業務ができるように設備を事前チェックしておきましょう。
準備金を確保する
すぐに経営が軌道に乗らないリスクもあるので、取引先等が安定するまでは準備金としてコストをまかなえる分だけお金を貯蓄して回すことが重要です。
短くても1年以上はまかなえる分だけのお金を用意しておきましょう。事前に1か月あたりといった期間でどのくらい費用が発生するのかをシミュレーションして、1年分の費用を概算して置くと安心です。
オフィスをどこに設置するか考える
オフィスの場所によって費用は変わってきます。たとえば1から建築する場合は膨大な費用が掛かりますし、既存の賃貸を活用したり建物を間借りしたりする際は費用を抑えられます。自宅を拠点にすれば追加の費用は発生しませんが、不動産との契約内容によっては商談等に使えないリスクがあるのを考えておいてください。
ちなみにレンタルオフィスを借りて、料金を節約しながら商談等に使えるスペースを確保する考えもあります。
スキル面
スキル面では次のような点を確認しておきましょう。
確定申告などの知識・スキルを身に付ける
個人事業主として開業する際には、まず確定申告といった分野で今まで必要なかった知識やスキルを身に付ける必要があります。今まで経理担当であったならばすんなり理解できるかもしれませんが、初心者が一通り税の仕組み等を理解するのには時間が掛かります。
また分からないことがあれば、すぐインターネット・書籍等で調査する癖も身に付けておきましょう。
利用するツールの操作を学んでおく
利用するツールの操作も、適宜学んでおく必要があります。
たとえば会計ツールの場合は
- 基本の情報登録方法
- クレジットカード等の決済手段連携方法
- 仕訳の項目入力の仕方
などがツールごとに異なります。
計算の自動化などを行うためには事前設定が重要なので、まずは事前設定をミスなく終わらせた後に各項目の入力方法や画面での経理内容確認方法などを覚えてみてください。
手続き面
最後にある意味一番面倒である、手続き面での注意点を解説していきます。
会社への開業申告あるいは退職手続きを行う
もし個人事業主として開業する際は、雇用を継続する場合開業申告を会社へ行う必要があります。将来的な独立意志や現在の就業状態等を会社が把握しないと、無用なトラブルの元になるからです。
また退職が必要な際は、規則を確認した上で必要な書類を記載して提出する必要があります。会社のフォーマットに従って、詳しい退職の内容やこれからどうするのかなどを記載しておきましょう。
国民健康保険・国民年金等へ加入する
会社の健康保険がある場合は、個人事業主として開業する際に国民健康保険へ切り替える必要性も出てきます。退職の翌日から14日以内に手続きを行う必要があるので、すぐ動けるように書類を用意しておく必要があります。
また厚生年金から、国民年金への加入手続きまで行う必要があります。国民年金の決まりや注意点まで確認しておくと安心です。
開業届の記載・提出を行う
個人事業主として開業するときには、必ず開業届を提出しておきましょう。開業から1か月以内に管轄内の税務署へ提出する必要があります。
また開業届に合わせて、青色申告承認申請書等も提出しておくとよいでしょう。ばらばらに提出すると時間がなくなって後で書けなくなるリスクもあるので、まとめて提出したほうが安心です。
許認可申請の書類を提出する
業種によっては、許認可申請を行う必要があります。飲食業といったケースでは各関連機関へ許可をもらってから開業しないとトラブルになるので、自分の業種で許認可申請を行う必要があるかは事前に確認しておく必要があります。
また許可が下りても、自宅等では作業ができないケースもあるでしょう。賃貸を借りている場合では不動産等の協力が得られないリスクもあるので、そういった場合はレンタルオフィスなどの別スペースを契約してみてください。
個人事業主が知っておきたい経費の基礎知識を解説!認められる支出や注意点は? | Re:ZONE
Re:ZONE
オフィスを契約する必要があるときはレンタルオフィスがおすすめ!Re:Zoneならば美容業等でも使える
もし自宅等の場所とは別にオフィスを契約する必要性がある方は、ぜひレンタルオフィスを活用してみてください。
- 設備等があらかじめそろっているので賃貸料も含めて低コスト
- 完全個室等の仕様により情報管理や集中力といった面で安心できる
- 商談等の利用にも使えて、法人化の際は登記も可能
といったメリットでビジネスが効率化します。
「Re:Zone」は大阪府や奈良県等でレンタルオフィスを提供しており、中には美容業等で使えるオフィスもあるのでおすすめです。個人事業主として専用スペース・オフィスを確保しなければならない方はぜひRe:Zoneへお問い合わせください。
まとめ
今回は個人事業主として準備すべき内容を、やることリストとしてご紹介してきました。
やることリストを確認することで、スムーズな開業へつなげられます。ぜひ事前に検討すべき項目といっしょにやることリストを確認して、実行へ移してみてください。
またオフィスが必要な場合は、ぜひ低コストで集中できる環境を用意しているレンタルオフィスの活用を考えてみましょう。