育休中に年末調整は必要なのか気になっている方もいるでしょう。必要性を知るには年末調整について理解を深めることが重要です。今回は育休中に年末調整が必要なのかがわかるよう、年末調整の概要や対象者について解説します。還付金が戻ってくるのか、控除を受けられるのかという疑問にも回答しているので、ぜひ最後までご覧ください。
育休中に年末調整は必要?
育休中も年末調整は必要なのかを知るために、年末調整の概要をおさらいし、対象者を確認してみましょう。
年末調整の概要
年末調整とは、源泉徴収された税額の年間合計額と、年税額を一致させる精算手続きです。
一般的に従業員に支払われる給与や賞与などについて、所得税を事業者がいったん預かって本人に代わって国に納めています。
ただ、実際に支払う年税額は毎月の給与支払いでは確定していません。そのため、1年分の所得が確定する年末に、事業者が年末調整によって最終的な所得税額を算出して、過不足を調整します。税金を多く納めすぎていた場合は、超過分の税金が還付される仕組みです。
年の途中から育休に入った場合や、年の途中に育休から復帰した場合などは、給与が発生している期間があります。
つまり育休中であろうと、育休の取得タイミングによっては、年末調整が必要になる場合があるということです。
年末調整の対象者
年末調整の対象者は一般的に、会社などに1年を通じて勤務している人や、年の途中で就職して年末までに勤務している人です。
なお、下記の2パターンのいずれかに該当する人は対象外となっています。
・1年間に支払うことが確定した給与の総額が2,000万円を超える人
・災害減免法によってその年の給与に対する所得税および復興特別所得税の源泉徴収について徴収猶予や還付を受けた人
また、年の途中で年末調整が必要になる対象者は、下記の5パターンのいずれかに該当する人です。
・海外支店等への転勤などで非居住者になった
・死亡によって退職した
・著しい心身の障害によって退職して退職後に再就職をして給与を受け取る見込みがない
・12月に支給されるべき給与等の支払いを受けたあとに退職した
・パートタイマーとしての立場で退職した場合に本年中に支払いを受ける給与の総額が103万円以下であり、退職後その年にほかの勤務先から給与の支払いを受ける見込みがない
国税庁が掲げる年末調整の対象者の規定では、育休中の取得者が年末調整の対象外となるという文面は見当たりません。
したがって、育休中だからといって年末調整が不要とされるわけではないということがわかります。
育休中の場合は給付金を年末調整で申告する?
育児に関する給付金としては、出産育児一時金や育児休業給付金などがあります。
出産育児一時金は、出産にあたり健康保険から給付される支援金です。
妊娠4か月以上の人が出産したときに、一児あたり42万円が支払われます。
非課税となっており、年末調整に際して申告の必要がありません。
育児休業給付金は、雇用保険の被保険者が1歳未満の子を養育するために育児休業を取得したとき支給される手当です。
所得税の対象ではないので、年末調整に際して申告の必要がありません。
育休中の年末調整に関するよくあるQ&A
育休中に年末調整が必要であることや、給付金の申告が不要となる場合があることをお伝えしました。
引き続き、そのほか育休中の年末調整に関するよくある質問にQ&A形式で回答します。
Q1.育休中の年末調整で還付金は戻ってくる?
A1.年間で給与の支払いがあり、還付金が発生しているのであれば戻ってきます。
還付の明細書が作成され、振り込まれるのが一般的です。
年末調整と聞くと、12月の給与に対して行われるイメージがあるかもしれませんが、あくまで1年分の給与が処理の対象となっています。
12月の給与がない場合でも、還付金が戻ってくる可能性があることについて、最低限理解しておきましょう。
Q2.育休中の年末調整でも控除を受けられる?
A2.育休中の年末調整でも控除を受けられることがあります。
たとえば、生命保険料や地震保険料などを支払っている場合は控除の対象です。
会社員は社会保険料も控除の対象ですが、育休中については支払いが免除されることもあり、年末調整では控除されません。
納税者本人の所得が1,000万円以下で、納税者に各種条件を満たす配偶者がいる場合、配偶者控除も受けられます。「給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書」の提出が必要です。
育休中を機にフリーランスに興味を持ったら将来的に開業も検討!
会社員であると税金の支払い、年末調整などを行ってもらえるのは魅力です。しかし、育休が終わってしまえば、基本的に平日は会社に拘束され、自由に子育てできません。
育休を経験すると、もっと子育ての時間を増やしたくなる方もいるでしょう。
その点、フリーランスとして開業すれば、働く時間と場所を自由に決められるので、子どもと過ごす時間を増やせます。自宅で働ければ、常に子どもの様子を確認できるため、臨機応変に育児に対応できます。
仕事に集中できない場合はレンタルオフィスを契約するのもおすすめです。パートナーに育児を任せられる時間はレンタルオフィスにこもって仕事に専念したり、子どもの送り迎えが必要なタイミングだけレンタルオフィスから抜けたりするといった働き方などが可能です。
参考にRe:ZONEというサービスをご紹介します。
Re:ZONE
Re:ZONEは、1部屋27,500円からビジネスに必要なワークスペースを借りられるスモールレンタルオフィスです。
敷金・礼金、家具代、インターネット利用料などが不要となっており、初期費用を低く抑えつつすぐにビジネスを始められます。
土日祝日を気にせず、24時間365日いつでも使えるスペースなので、子育ての事情に応じて臨機応変に使用可能です。
趣味や読書を楽しむ部屋としても使えるので、育児の合間にプライベート時間を楽しむのにもピッタリでしょう。内装については、ホワイトカラーをベースとした落ち着いた色合いの空間が多くなっており、中には観葉植物を配置している部屋もあります。
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レンタルオフィスで行える開業の例については下記の記事を参考にしてみてください。
開業前に知っておきたいエステサロンの基礎知識! 必要な準備や失敗しないためのポイントは?
インターネットビジネスとは? メリット・デメリット、種類や例、怪しいのかなどを解説!
結婚相談所の開業には資格が必要? 費用の目安や失敗しないためのポイントなどを解説!
まとめ
今回は、育休中に年末調整が必要なのかがわかるように、年末調整の概要と対象者について解説しました。
年末調整は、毎月の給料から源泉徴収した税金に過不足がないか、企業が年末にチェックする税務処理です。育休中の会社員を対象外とするルールなどは特に存在していません。育休中であれ、通常の会社員と同様に還付を受けるために必要になります。
年末調整を会社が行ってくれるのは便利ですが、雇用の働き方は子育ての時間を捻出しづらいです。子育ての時間を増やしたい方は、将来的に開業の働き方も検討してみるとよいでしょう。もし開業する場合は、今回紹介したようなレンタルオフィスの利用もぜひ検討してみてください。