働き方が多様化している現代では、「SOHO」という働き方も登場しています。SOHOは特にフリーランスと関連性の高い言葉であり、事業所費用を抑えられるといったメリットがあります。
ただしデメリットも存在するので、向いている業種といっしょに注意点まで理解しておくと安心です。
今回はSOHOの概要や知っておきたいポイントをまとめてご紹介していきます。SOHO利用を考えている方はぜひ参考にしてみてください。
SOHOとは?日本SOHO協会の考えをベースに解説
SOHOとは「Small Office Home Office」を略した言葉です。「小さな事業所で情報通信機器を活用しながら、個人事業主が受注した仕事をこなす業務形式」を指します。自宅を仕事場としている個人事業主の方も、働き方はSOHOに該当するので覚えておきましょう。
ちなみに上記の考え方は、日本政府から認可を受けてSOHOの普及や支援を行っている「日本SOHO協会」が提唱しています。メディアによっては小さな事業所で業務を行っている会社の働き方もSOHOに含めているようですが、本記事では個人事業主の働き方の1つをSOHOとして解説を進めていきます。
フリーランスとして個人事業主扱いで働いている方の多くは、SOHOでオンラインのやり取りを行いながら仕事の交渉や受注などをこなしていらっしゃるでしょう。そこでフリーランスが増加している現在、比例してSOHOのシェアも増加しているのがポイントです。
SOHOをしているからといって、事業所扱いしている場所だけを拠点に仕事をしないといけない、という制約はありません。人によってはカフェや図書館で「ノマドワーク」をしたり、スマートフォンで外出先からやり取りを行ったりする場合もあるでしょう。成約を受けない自由な働き方を推し進められるのが、SOHOという考え方です。
SOHOとテレワーク、在宅勤務の違いは?
SOHOと「テレワーク」、「在宅勤務」を混同される方もいらっしゃるかもしれません。
テレワークとは「会社と雇用契約を結んだ状態で、会社以外の拠点を仕事場として業務を行う形態」を指しています。そして在宅勤務は、「モバイルワーク」といったテレワーク形態の1つとして扱われるのがポイントです。ちなみに上記の考えは、政府とも関係性のある「日本テレワーク協会」が提唱しています。
つまりテレワークと在宅勤務は、いずれも会社と雇用契約をしているのが前提の働き方になります。個人事業主として独立して働くSOHOとはそもそもの前提が違うので注意しましょう。
SOHOのメリット・デメリットを解説!コストや設備に注目してみよう
SOHOのメリットやデメリットは次の通りです。
メリット1:住居用の物件を利用できるためコストが抑えられる
SOHOのメリットの1つは、賃貸関係のコストが削減されることです。
仮に住居用物件を借りて事業所として活用する場合、住居と事業所を別々に所有していないのでコストが集約されます。つまり住居分のコストだけで賃貸関係のコストを収めることが可能です。
フリーランスとして働く場合、初期投資はなるべく抑えたいはずです。また将来的にも抑えられる環境を構築できればより安心できます。住居用物件を借りてSOHOすることで、初期投資やその後の投資まで減らして効率よく仕事ができるようになるでしょう。
メリット2:働く時間や休みを自由に決められる
SOHOで働く場合は雇用関係がないので、自分で働く時間や休みを決められます。
従業員として雇用されること自体に抵抗を感じている場合は、SOHOで働くのがおすすめです。自分で仕事を受注して働くのでやりがいがありますし、気軽に時間を使えます。業務の評価が成果主義になってしまいますが、時間を効率的に使える方はむしろ従業員として働くより成果が得られるかもしれません。
ただしいつ働いて休むのかリズムを付ける、余裕を持って納期前に仕事を終わらせるといった自己管理のスキルが必要です。これからSOHOで働きたい方は、自己管理にかかわる考え方や管理方法などを学習しておくと安心して独立できるでしょう。
メリット3:通勤の手間がない
もし住居兼仕事場として使える物件を借りてSOHOを行う場合は、通勤の手間が必要なくなります。
会社員は自転車や電車、自動車といった手段で通勤することに案外時間を取られています。この時間を無駄にとらえる方は多いですし、事業所へ通うだけで気が滅入る、という方もいらっしゃるのもポイントです。またコロナ禍での通勤リスクを心配される方もいらっしゃるかもしれません。
しかし住居用物件をSOHOとして使えば、通勤が必要なくなるのですぐ仕事へ移行できます。また通勤リスクを考える必要がありませんし、通勤手当に関係する処理も必要ありません。通勤以外のことに集中したい方は住居用物件をSOHOに利用してみましょう。
デメリット1:住居用物件を借りた場合、物件の扱いに制約がある
SOHOで住居用物件を利用する場合、まず事業所用物件と扱いが違う点に注意してみてください。
事業所用物件では
・堂々と表札を設置する
・登記して法人化する
・不特定多数のメンバーが出入りする
といったことが可能です。しかし住居用物件だと表札の設置や法人登記などは難しいですし、スペースが限られているため複数のメンバーの出入りは難しくなります。
プライベートとビジネスを分けられないデメリットが大きいと感じる場合は、ぜひ後ほどご紹介する「レンタルオフィス」を借りるやり方をSOHOとして検討してみてください。
デメリット2:設備が最初から整っているとは限らない
住居用の物件を借りた場合、設備面でも注意する必要があります。
たとえば
・オフィスチェア
・オフィスデスク
・プリンター
などは自分で用意して持ち込む必要があります。
また近年ではインターネット回線が完備されている住居用物件も増えてきましたが、ビジネスに適しているとは限りません。光回線が使えても契約プロバイダーなどによっては、速度が出ずに仕事がしにくい可能性もあります。そのため無理に住居用物件の設備を利用するのではなく、必要であれば高速なモバイルルーターを契約する、といった柔軟な対応が必要になるでしょう。
セキュリティといった面でも気を配るのを忘れないようにしてみてください。
SOHOに向いている職種は?オンライン完結の業務がおすすめ
SOHOに向いている職種は次の通りです。
・Webデザイナー
・Webライター
・Webエンジニア
・イラストレーター
「Web」と名の付く職種はそもそもオンライン周りの業務が主となるので、オンラインで受注から納品までを完結させやすくSOHOがしやすい職種です。またイラストレーターもソフトウェアを使ってデザイン、コンペへ参加する場合が多いのでSOHOに向いています。
反対に
・飲食業
・小売業
・美容業
といった業種は顧客との接客が直接発生するので、SOHOには向いていません。ただし今後VRやARといった最新のITが活用されることで、上記のような職種でもリモートの工程が増えてSOHOができるようになる可能性は0ではないでしょう。
SOHO専用のレンタルオフィスを、Re:ZONEでゲット!
SOHOで住居用物件を借りるデメリットが大きいと感じる方は、レンタルオフィスを活用してみましょう。
たとえば完全個室型のレンタルオフィス「Re:ZONE」では、
・法人登記が可能
・敷金・礼金、工事費などは不要
・インターネット回線や家具などを用意
・インターネット回線やセキュリティ設備も完備
・24時間365日利用できる
といったサービスを提供しています。レンタルオフィスを借りれば、住居用物件でSOHOする際に発生する「住居と事業所をどう分けてスペースを確保するか」といった手間が掛かりません。
ビジネスとプライベートを分けてSOHOしたい方は、ぜひRe:ZONEといったレンタルオフィスの活用を検討してみてください。
まとめ
今回はSOHOの概要や知っておきたいポイントを解説してきました。
SOHOはフリーランスといった新しい働き方が増えている中で注目されています。SOHOを始める際はまず住居兼の物件を借りるのか、それとも小さい専用の事業所を借りるのかを決めておきましょう。
もし住居を仕事場として使うのに抵抗がある場合は、ぜひレンタルオフィスなどを利用してSOHOを始めてみてください。