販売事業に興味があるけれど大きな店舗を開くのが難しい方もいるでしょう。最小限の設備で自由に販売できる移動販売を検討してみてはどうでしょうか。今回は、移動販売で開業するメリットや売れるもの、向いている人、許可はいらないのかなどについて説明します。移動販売以外に検討できる開業ビジネスやおすすめの拠点についても紹介しているので、あわせてチェックしてみてください。
移動販売の開業に関する基礎知識
早速、移動販売の概要をおさらいしつつ、メリットや売れるものの例、種類、許可・資格、向いている人などについて解説します。
移動販売の概要
移動販売とは、ペイントやラッピングなどで改造した車両で、食べ物や小物などを販売する事業です。イベント会場や施設の駐車場などさまざまな場所で販売できます。移動販売場所や時間などについてはホームページで公開して周知するなどの方法があります。
出店場所や営業時間を事業主が決められるので、柔軟に働ける職業として若者や女性に注目されるようになりました。
また、近年はスーパーの大型化や郊外化で撤退するスーパーも珍しくなく、買い物難民(買い物に不自由な方)が増えてきており、課題解消策としても移動販売にスポットライトがあてられています。開業することで地域に貢献できるかもしれません。
移動販売のメリット
通常の店舗と違って、家賃が発生せず、スタッフの人数も最小限なので、コストを抑えて開業しやすいです。
店舗の場合は広告や宣伝などによって来客数を増やす必要がある一方で、移動販売であれば需要が高い場所に自ら出向いて売上を増やせます。
会社で働きながら週末に副業として開業することも可能です。販売業に興味があるのに踏み出せなかった人でも挑戦しやすいでしょう。
移動販売で売れるものの例
移動販売で売れるものの例は下記の通りです。
・パン(モーニングブレッド、菓子パン、サンドイッチ、調理パンなど)
・お弁当(のり弁当、チキンカツ弁当、シャケ弁当、ハンバーグ弁当など)
・クレープ(イチゴクリーム、チョコレートクリーム、キャラメルクリームなど)
・たい焼き(粒あん、りんごカスタードなど)
・ポップコーン(塩、バターしょうゆ、メープル、チョコストロベリーなど)
・野菜(キャベツ、ほうれんそう、ミニトマト、大根など)
移動販売の種類
移動販売の種類は主に販売業と調理営業に分けられます。
販売業は食品を調理せずに並べて売る移動販売方法です。
その一方で、調理営業は自動車に調理施設を搭載して出来立ての食べ物を提供する移動販売方法です。調理営業で使う車は移動販売車の中でもキッチンカー、ケータリングカーと呼ばれます。
後述するように調理営業は営業許可や設備の条件などが課されるため、やや開業のハードルが高くなります。
移動販売に必要な許可・資格
基本的に調理営業を目的としたキッチンカーによる移動販売は、営業するエリアを管轄する保健所の許可が必要です。取り扱い商品によっては許可されない場合もあります。基準を満たす設備の車両を購入する必要もあります。
また、食品衛生責任者の資格が求められる場合もあります。食品衛生法や食中毒などについて講習で学ばなければなりません。
【許可・資格の例】
東京都福祉保険局・保健所によると、自動車に施設を搭載して移動しながら下記の営業を行う場合は、食品衛生法で定められている許可が必要とのことです。
・食品を調理して客に飲食させる営業
・魚介類を販売する営業
・獣畜をとさつもしくは解体、または解体された鳥獣の肉、内臓等を分割もしくは細切にする営業
有効範囲は都内一円に限られています。容器包装に入れられた食品を仕入れ販売する場合は営業許可はいらないとのことです。ただし、営業する場所に営業届出が必要とされています。
参照:新たに食品に関する営業を始められる皆さんへ(東京都福祉保険局・保健所)
移動販売車・キッチンカーが向いている人
移動販売車・キッチンカーの販売が向いている人の特徴としては柔軟性を持っていることです。
通常の店舗と異なり、出店場所の変更や気候などの影響を受けることもあり、不規則な営業が求められるからです。
出店スケジュールが変わったときも通知しなければなりません。
販売を楽しみに待つ方に迷惑をかけないよう、臨機応変に対応できる方に適した働き方でしょう。
移動販売の開業にかかる車の費用
移動販売の開業には移動販売車が必要になります。いくらくらいの費用がかかるのか目安を知りたい方もいるでしょう。
移動販売の開業にかかる車の費用はおおよそ100万円~500万円程度です。
中古車サイトなどでも販売されており、基本的には200万円前後で購入できます。
移動販売車はレンタルで利用することも可能です。
たとえば、軽バンタイプであれば2日で3万円、1週間で5万円、1か月で10万円のような料金体系で利用できます。
ガラスショーケースや取り外しできるカウンターなど、車によって搭載されている設備、利便性もさまざまです。よく比較してコストパフォーマンスが高い車両を選ぶことが重要です。
移動販売の開業が難しいと感じたらほかの事業も検討
移動販売の開業では食品を取り扱うことから許可が必要とされたり、移動販売車を用意したりする必要があり、開業のハードルが高いと感じた方もいるかもしれません。
個人で開業できる事業は意外とたくさんあり、そのほかのビジネスを検討してみるのも一つの手です。
最近では、ビジネスに必要なワークスペースをまとめて借りられるレンタルオフィスも登場しており、誰でも気軽に事業を始めやすくなっています。
参考にRe:ZONEというサービスと具体的に実施できる事業についてご紹介します。
Re:ZONE
Re:ZONEは、1部屋2万円台からさまざまな事業に役立つ拠点を借りられるスモールレンタルオフィスです。
敷金・礼金、家具代、インターネット利用料などが不要で、初期費用を抑えながら開業できます。
具体的には、パーソナルカラー診断運営やネイルサロンの拠点として利用される方も見受けられます。
原則として許認可の取得も可能です。行政書士などの士業の方も入居しています(許認可の種類によって判断が異なり、最終的には諸官庁に問い合わせが必要)。
内装については内覧での確認を受け付けており、開業に相応しい環境か事前に確かめることも可能です。内覧を希望される方は下記のバナーをクリックして、内覧予約フォームからご予約ください。
なお、移動販売以外に開業できるビジネスとして、結婚相談所やカウンセラーなどの仕事もあります。詳細が気になった方は下記の記事もご覧ください。
結婚相談所の開業には資格が必要? 費用の目安や失敗しないためのポイントなどを解説!
開業カウンセラーとは? 年収や関連資格、ビジネスモデルなどについて解説!
まとめ
今回は移動販売の開業に関する基礎知識をまとめてお伝えしました。
移動販売は食べ物や小物などをイベント会場や施設の駐車場などで販売する事業です。売れるものの例としてはパンやお弁当、クレープ、たい焼きなどがあります。
通常の店舗と違って家賃が発生せず、スタッフの人数も最小限に抑えられるので、コストを抑えて開業しやすいです。
ただ、調理営業をする場合は許可や資格の取得が必要になることもあります。また、移動販売車の購入に目安として100万円~500万円の費用が発生します。
最近では、初期費用を抑えられるレンタルオフィスのサービスが普及し、サロンやカウンセリングなどで開業する方も増えてきました。移動販売の開業が難しく感じた場合は、ほかのビジネスにも目を向けてみるとよいでしょう。