中小企業診断士　森　文彦様
中小企業診断士　前隈　秀夫様
中小企業診断士    藤本　訓徳様

-みなさま共同で堺筋本町01をご利用されているとのことですが、どのようなお仕事をされているか教えていただけますでしょうか。

森様　私は、中小企業診断士としての活動と併せて事業を行っています。事業内容は、小売・サービス業様向けに店舗内装の設計施工を行う業務や、流通業界様向けにイベントを含めた販売促進をお手伝いするサービスを提供しています。

-中小企業診断士を取得しようとお考えになったキッカケはなんでしょうか。

森様　もともと経営者であるため、経営の学びを深める目的で、中小企業診断士を取得しました。より深く学ぶために、実践的な研修がある中小企業診断士登録養成課程のカリキュラムがある学校に通いました。

-登録養成課程というのはどういった内容の学校でしょうか。

森様　中小企業診断士になるための教育を受ける機関です。中小企業診断士になるためには一次試験に合格した後、二次試験を受けて合格する方法と、登録養成課程に通学し指定されたカリキュラムを受けて、資格を取得する方法があります。教育機関のカリキュラムについては、ケーススタディといった事例から学ぶ授業や、実際にお客様の企業へ訪問し、報告書を作成する実践型の授業があります。私たちの通学した教育機関は１年間の通学でしたが、半年や２年間と機関によって通学期間はまちまちです。

-集まるきっかけは何だったのでしょうか。

森様　先程お話しした通り、中小企業診断士の資格を取得するため登録養成課程に通学していたのですが、せっかく取得したこの資格を通じて地域のお客様の一助となりたいと思い、賛同してくれるメンバーと一緒に始めようとなったことがきっかけです。集まったメンバーは様々な経歴を持っていましたので、それぞれに得意分野があります。共同で活動を行うには相談や連携が取りやすい環境が望ましいと考え、一つの事務所で一緒に事業スタートしました。

-それぞれ個人でも会社を経営されていると聞きましたが、皆様それぞれの事業の内容をお伺いすることは可能でしょうか。

前隈様　私は二人と違って中小企業診断士専業という形で、いわゆる経営コンサルタントの仕事をしています。元々、一般企業の人事部門で組織活性化に取り組んだり、経営企画部門では事業計画を立てたりといった仕事をしてきましたので、今もそのような分野の仕事を中心に活動しています。

-サラリーマン時代に何かきっかけがあって独立されたのでしょうか。

前隈様　実は弁護士を目指していた時期もあり、士業という形でいつかは独立したいと思っていました。紆余曲折はありますが、50歳の時にあるチャンスに巡り合いまして、それが一つのきっかけだったと感じています。
本当はもう少し早く独立したかったのですが、当時働いていた会社での仕事の関係もあり、実現できませんでした。ただ、50代になって今独立しないともうできないだろうと思い、独立を決意しました。

藤本様　私は美容師で現在美容室を3店舗経営しています。経営者として経営の勉強をしたいと思い中小企業診断士を目指しました。美容師は技術職（として成立します）ですので、経営を学ぶ機会は中々有りません。私自身も経営面では苦労したので、同じように美容業界で経営に対する悩みを抱えている人が多いと考えています。中小企業診断士としては、特に理美容業界を中心としたサービス業全般を対象として活動をしております。

-それぞれ分野が違うので、抱えている顧客も違うということでしょうか。

森様　そうですね。それぞれ分野も違いますし対応するところも違います。

-3人でお仕事されていたら相談もしやすいでしょうか。
1人で対応している中小企業診断士と、3人で対応する中小企業診断士との差というのはどういった所でしょうか。

森様　1人の知識というのは限界があると思います。経験値も違うと思います。当然守秘義務を守りますが、困ったときに相談もできるというのは、非常に心強いと思います。

-そもそも中小企業診断士とはどういう資格なのでしょうか。

藤本様　一言で言うと経営コンサルタントです。企業様と一緒になって業績を上げよう、一緒に向上していきましょうという資格で、人事や経営面など、多方面で支援をする必要があります。その為、中小企業診断士の資格をとるのに、実は、一次試験科目は7科目もあり、幅広い知識を求められます。

-中小企業診断士の方だと安心して相談できるということですね。

藤本様　様々な分野に精通した中小企業診断士が存在しますので、安心して相談していただければと思います。

-一次試験が7科目あるんですね。とても難しい資格ではないでしょうか。

森様　試験科目に関係する仕事をしている人は、苦手意識は薄く、比較的スムーズに科目合格できる場合が多いと思います。ただ、7科目すべてに関係する仕事をされている方はなかなかいません。それぞれの科目の範囲が広いため、関係していない分野、また不得意な部分の勉強に時間がかかります。

-皆様は資格を取るのに何年ほどかかったのでしょうか。

森様　僕で2年半から3年でしょうか。

前隈様　私は二次試験になかなか合格できず、4年ほど勉強していました。最終的には登録養成課程に行きましたが、今は登録養成課程も私たちの時と比べて難しくなっているようです。
また、先ほどの中小企業診断士はどういう資格かというお話の補足ですが、中小企業診断士は名称独占といって中小企業診断士と名乗ることができる一方、弁護士や税理士のような独占業務がありません。そのため、自ずと業務の範囲が広くなり、経営全般の知識や経験が求められます。だからこそ、5人でいると苦手なことは補えます。

-もう2名いらっしゃるんですね！もうお二方はどういった業界の方でしょうか。

森様　1人は飲食業、もう1人はSEですね。

-試験勉強で苦労したところはどういった所でしょうか。

森様　一番苦労したところは、継続していく気持ちですね。
資格専門の情報サイトでは、試験合格するのに必要な時間は1000時間と言われています。
一日３~４時間勉強すれば時間は達成できますが、社会人ですと勉強時間はなかなか取れませんし、時間は達成しても合格するとは限りません。試験に何回か落ちるとモチベーションも下がるので、自分を奮い立たせる事が大事でしたね。

前隈様　私の場合、一次試験の試験勉強よりも、登録養成課程に通っていた1年間が大変でした。週3日学校に通っていたのですが、そのうち一日は朝から授業でした。私はサラリーマンでしたので、休みをどう取るかという調整が難しかったですね。そういった意味では、時間管理が最も難しかったです。

藤本様　私は美容業界出身でしたので、見るもの全てが新しいという感じで、一から勉強しなければならなかったことが大変で時間はかかりました。また、結構な（内容）量を覚える記憶力は必要ですね。毎年同じ問題が出るわけではないので、最終的には忍耐も必要だったかもしれません。

-合格されてから人生がかわったということは有りますか。

森様　物事を俯瞰して見ることができるようになりました。自分の周りのことは良く見えていたつもりでも、様々な視点から見るという事は出来ていなかったように思います。
経営や財務の面だけでなく、人事の面として、従業員の方が楽しんで働いているかなども含めて、会社を全体的に見れることは一つメリットになりました。

前隈様　サラリーマン時代は、嫌なことをやった対価が給料だと考えていました。
一方で、今は自分がやりたいことをやって、やりがいもありますので、非常に良い環境でお仕事をさせていただいています。サラリーマン時代は営業経験がなかったので、お客様と接する機会がほとんどありませんでした。今、お客様から直接感謝のお言葉をいただくようになり、仕事に対する考え方が変化したように思います。
お客様のことを考えると終わりがありません。もっと良い方法があるのではないかとギリギリまで考えるのですが、それが嫌ではないんですね。そのため、サラリーマン時代と比較し、ストレスは圧倒的に減りました。

藤本様　大きく変化した思っています。先ほどお伝えした通り、美容室開業時は経営の勉強をしてこなかったので、資格を取るまでは決算書を見るポイントもきちんと把握していませんでした。
自社の経営に対する問題も見つけやすくなりましたし、美容院の経営診断をしていると、現状や問題、そして課題が生々しく理解できるようになりました。理美容業界もまだまだ発展させることができると考えています。この事務所で経歴の違う人と働いていると、他の支援策の視点に気づくことができ、まだまだ勉強することが沢山あることを感じています。

-お客様の獲得はどのようにされているのでしょうか。

森様　先日は、美容業界に向けて3人でセミナーを行いました。協会に所属しているので、そこからの紹介も有りますし、金融機関や税理士さんからの紹介もあります。仕事くださいと書いてくださいね笑

-今後の事業の目標は有りますか

森様　80歳ぐらいまで仕事がしたいですね笑。中小企業診断士の業務は意外に性に合っていると思っています。

前隈様　私自身が鉄工所の息子だったのですが、後を継ぐことができませんでした。今も中小・零細企業は継続していくことが難しく、廃業しているところが多いので、そういった企業様を一社でも二社でも支援できればと思っています。

藤本様　私も同じです。自分の会社を成長させていき、また自分がお世話になっている理美容業界も盛り上げたいと思っています。サービス業については、今後益々人材育成が絶対必要になってくるので、そういったところで貢献をしていきたいと思っています。

-事業を行う上で大事にしていることや信念がありましたら教えていただけますでしょうか。

森様　一隅を照らすという言葉をご存じでしょうか。自分の周りや知り合った人が明るくすると世の中も明るくなるという意味ですが、中小企業診断士もそういった要素があるかなと思っています。
世の中を一気に変化させることはできませんが、地道に少しずつ良くしていけば、世の中も徐々に良くなるのではないかなと考えています。

前隈様　私は、依頼をお引き受けする際には、損得勘定で意思決定しないということを意識しています。本当にお客様のためになる支援は何かということを判断軸にしています。

藤本様　仕事をしていくうえで、伴走しながら支援先の方がさらにいい状況になるようお手伝いができたらいいと思っています。

-話は変わりまして、Re:ZONEを知ったきっかけは何でしたでしょうか。

森様　中小企業診断士の協会がこの近くに有りますし、堺筋本町がいいねという話になり、ネットで検索すると、Re:ZONEがでてきましたので部屋を見せてもらいました。
最初は別の部屋を案内されたのですが、少し狭かったため悩んでいると、女性スタッフの方に別の大きい部屋が空室になるということを教えてもらい気に入ったので、ここに入居を決めました。

-堺筋本町以外では探しましたか？

森様　堀江とか難波や北浜も探していました。ネットでは見たのですが、内覧には行かなかったです。
Re:ZONE堺筋本町01の良いところは、エントランスは少しレトロな雰囲気でしたが、３階に入るとすごくきれいなところですね。リノベーションもしっかりしていておしゃれな感じがとても良かったです。

-事務所を探していた時に譲れないポイントはありましたか

藤本様　私たちが所属する大阪府中小企業診断協会や大阪中小企業診断士会から近いこと、そして希望していた事務所の広さですね。
来客にも対応できますし、レトロ感や価格面も良かったです。僕たちはすこしレトロな感じの方が好きで、それにこの事務所はとても集中して仕事に取り組めますね。トイレや共用部分はきれいにされているので、特に使用感に問題はありません。

-音がもれるなどはありますか。

森様　そんなに気にはならないですね。扉がガラスの居室は少し音漏れするかもしれませんね。廊下に出ると多少音は聞こえるかなという感じですね。

-やはり決め手は価格でしょうか。

森様　価格もそうですが、スタッフの対応がすばらしかったですね。

-実際に入居していてここはいいと思うこと、もっとこうして欲しいということはありますか

森様　レンタルしているソファの色味を合わせていただくなど、非常に手厚くサービスをしていただきました。ただ、一つここは不便と思うところは、寒いことですね。エアコンの大きさの関係もあると思いますが、コンクリート造のため、冬は寒いですね。オイルヒーターなどを入れたりしています。

-今後入居を考えている方に向けて一言いただけますでしょうか。

藤本様　立地面や設備面も含めて総合的に安いと思います。

前隈様　ランニングコストを抑えられるので、起業を考えている方にはおすすめですね。

-今後Re:ZONEに求めることはなんでしょうか。

森様　交流の場があったらいいですね。お酒を飲む機会もあったら嬉しいです（笑）

藤本様　企画ものとして、年間に1回や2回交流会みたいなものがあれば嬉しいですね。
何かが生まれることを目的ではなくて構いません。同じ内容の仕事をしているようで皆さんバラバラなんですね。交流があれば励みになるし情報交換もできますよね。イベントを企画されることを願っています。

前隈様　私もそういった交流の場をもって、互いに情報交換や仕事の紹介ができれば良いなとは思います。

皆さんとても楽しいお話しをしていただき、ありがとうございました。
冗談もたくさんあり、楽しくインタビューさせていただきました。
本日はありがとうございました！