企業においては安定した経営、そしてそれに伴う企業成長が欠かせません。こういった順調な企業成長のサポートをするのが経営コンサルタントです。
しかし経営コンサルタントの業務内容や必要性について、いまいちイメージできない方は意外と多いのではないでしょうか。経営コンサルタントのアドバイスする業務範囲は広く、何をしているのかが外目からは分かりにくい面もあるからです。
今回は経営コンサルタントについて概要や業務内容などをご紹介していきます。
経営コンサルタントとは
経営コンサルタントとは、「企業がきちんと経営に成功しているかをデータから判断して、問題がある場合はその適正化やアドバイスなどを行う職業・業務」です。外部協力者として企業成長へかかわっていくのがポイントであり、データを確認しながら経営状況判断や課題解決の提案などを行う側面もあることから、マーケターに似ている面もあると言ってよいでしょう。
経営コンサルタントが求められている理由
企業の持っている人的・金銭的リソースは限られています。そのような中で企業は自分が目指すべき方向へと戦略を立て、新規事業の拡大や既存事業の整理を行わないといけません。しかしこういった経営判断はすぐにできるものではなく、組織全体に影響することからじっくり確実に進めていく必要がある難しさがあります。
経営コンサルタントは豊富な知識・スキルから企業の経営状態を可視化して、クライアントが分かるようにしてくれます。これによって今自社がどのような経営状況なのか、現時点・将来にどのような問題が発生している・発生する可能性があるのかが瞬時に分かるのがポイントです。
また解決策に関してもアドバイスを受けたりできるので、スムーズに実行できます。企業成長の確率を上げてくれるのが、経営コンサルタントが求められている意義の1つです。
現在経営コンサルタントの需要はどうなっている？
現在はITの進化などによって企業の事業成長が急速に成し遂げられるようになりました。しかしそれだけではなく競合の増加といった影響により、事業撤退を余儀なくされる事例も少なくありません。このようにビジネスの変化が激化している現代では、経営コンサルタントがサポートすることで上手く課題を解消して成長を安定させようとする需要が増えています。
中にはIT関連の業務サポートをメインとしたITコンサルタントとして働いている方もいらっしゃいます。もしコンサルタントを目指す場合は、ITコンサルタントといった経営コンサルタントの派生的な職業があることも知っておいてください。
ちなみに経営コンサルタントは外部協力者として企業の成功サポートをするという性質上、フリーランスとして活躍がしやすい職業でもあります。もしレンタルオフィスなどを借りながらフリーランスで仕事ができる職業をお探しの場合は、経営コンサルタントを目指して学習するのもよいかもしれません。
経営コンサルタントってどんなことをするの？業務内容を紹介
経営コンサルタントは外部協力者として次のような業務をこなします。
企業経営状態の評価
企業の現状や課題を把握するため、クライアントからもらった資料や自分で調査したデータなどを基に経営状態を評価します。当然クライアントにも説明を行うので、誰が見ても分かりやすく数値で内容が見られるようにレポーティングを行う必要性があります。
経営状態の評価に使われる分析手法が複数あるのもポイントです。たとえばSWOT分析でクライアント企業の強み・弱みなどを可視化する、政治や経済状況も含めた総合的な分析を実行するPESTLE分析を実行するなど、フレームワークを使い分ける必要性も出てくるでしょう。
戦略の立案
企業の現状や課題が判明した後は、戦略の立案を行っています。戦略の立案段階では指標を基に企業の方向性や最終ゴールなどを可視化して、どの段階でどのような業務を実行して経営を加速させていけばよいかを明らかにしていきます。
実際に経営戦略を実行するかの判断は企業の意思決定者に任せますが、その前段階までのお膳立てをすることでスムーズな経営改革を行えるようにサポートすることが求められるでしょう。
ちなみに戦略を立てるべき範囲は
・マーケティング
・財務
・事業再生
などさまざまです。
企業が経営コンサルタントにどの範囲をアドバイスしてほしいと思っているのか、また分析の結果実際にどの箇所へ問題が出ているのか、といった要素によってどの計画を立てるべきかは変わってくるでしょう。
プロジェクトの管理
経営戦略策定に伴いプロジェクトの規模が大きくなった際は、細かいマネジメントが求められます。たとえば
・タスクを設定して担当者に割り振る
・各タスクに期限を設定する
・実際にスケジュール通りに行っているかチェックを行う
・問題があった場合は調整を行う
といった複数の業務が発生してきます。規模が大きいほど上記管理業務の負担が大きくなっていくのも問題です。
そこで経営コンサルタントでは上記業務に関してもサポートを行い、戦略がきちんと計画立てて実行されるように調整・管理を行っていく場合があります。
チームでの業務サポート
戦略立案の範囲やプロジェクト規模が大きい場合、1人ですべての業務をサポートして支援するのは難しい面があります。そこで経営コンサルタントでチームを組んで、それぞれの業務範囲を分担することで確実なサポートへつなげる事例もあります。
・最終責任者
・進行責任者
・仮説検証・アドバイス
・情報収集や分析・レポーティング
といったようにプロジェクトに必要な業務に応じて担当者を設定して、連携しながらコンサルティングを進めていくのがポイントです。
経営コンサルタントになりたい！必要なものとは
ここからは実際に経営コンサルタントとして仕事をしたい方へ向け、必要なものをご紹介していきます。
経験・スキルを習得する
まずは基本となる経験やスキルを習得するために、学習機関へ通うのがよいでしょう。オンラインで学習を行うサービスも活用できます。
またできるならば、コンサルティング業界に就職する前に仕事で関係ありそうな業務を経験できるとさらによいです。ちなみにMBAといった資格・認証を受けていると、仕事を獲得しやすくなります。気になる場合は資格取得に向けて学習してみてください。
トレンド等の情報収集・スキル構築
現在は特にIT分野での人材需要が増加しています。ということでITを中心としてトレンドを情報収集するのが重要です。たとえば現在ではChatGPTといったAI検索ツールの利用が広まっています。こういったツールにかかわる仕事が来る可能性もあるので、事前にどんなツールなのか、検証しながら学習してみると役立ちます。
またそれだけでなく、情報収集したものについてスキルを習得すべきものがあればその都度準備を行いスキルアップを行うのもポイントです。幅広い範囲で仕事を獲得できるようにしておいてください。
コミュニケーション
情報の1つとして、クライアント関係者からヒアリングをしたりする業務も発生します。ということで聞き出せる能力としてコミュニケーションスキルも必要です。
経営コンサルタントとして上手に人の話を聞いて課題を解決するサポートを行うスキルがあると、仕事の獲得効率が上昇します。またプロジェクトの円滑な進行に関しても関係者とすり合わせを行う必要性があるので、そこでもコミュニケーション能力が求められます。
まとめ
今回は経営コンサルタントについて概要や業務内容などをご紹介してきました。
経営コンサルタントの仕事内容は広いですが、需要も増加しているため目指そうと思っている方は多いでしょう。経営コンサルタントになる際は資格を取得したり、トレンドに関して情報収集やスキルアップを行うといった工夫も必要です。
ぜひ経営コンサルタントとして成功できるように準備を行ってみてください。
