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個人事業主向け社会保険の種類|会社員との違いや備えるべき保険を解説

個人の方向けコラム

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個人事業主が利用できる社会保険制度には、国民健康保険や国民年金保険などがあります。加入条件は法律で定められており、同じ個人事業主でも従業員を雇うかどうかで変わります。

本記事では、個人事業主が加入できる社会保険の種類や、個人事業主になる際の社会保険の手続きなどについて解説します。会社員に比べると社会保険制度が少ない個人事業主におすすめの保険についても紹介するので、従業員を雇う予定のある個人事業主の人や、独立を検討している人はぜひ参考にしてください。

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個人事業主向け社会保険は原則3つ

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個人事業主が加入できる社会保険は、原則として「健康保険」「介護保険」「年金保険」の3つです。従業員を雇用する場合は、労災保険と雇用保険を含む労働保険料の納付義務が発生しますが、1人で活動する場合には上記3つの社会保険のみに加入できます。

健康保険

個人事業主が加入できる最も一般的な健康保険は「国民健康保険」です。国民健康保険は、各自治体が主体となって運営する市町村国保と、業種ごとの国保組合の2つがあります。国保組合は、同種同業による組合員により組織され、従事する業種に応じた組合に加入できます。

国民健康保険の保険料は、各自治体の条例や国保組合ごとの規約によって定められており、原則として全額自己負担です。

上記の他、会社員から独立して個人事業主になった場合、全会社での健康保険の任意継続や配偶者の扶養家族になる、という選択肢もあります。

介護保険

介護保険とは、65歳以上の高齢者の介護を支え合う制度です。各市区町村が保険者、該当地域の40歳以上が被保険者(加入者)となるため、64歳以下の要介護の人にも適用されます。

これは個人事業主や会社員といった雇用形態に関わらず、40歳になると一律で加入が義務付けられています。介護保険の保険料は、健康保険と一緒に徴収されるため、個人事業主の場合は国民健康保険料とともに徴収されます。介護保険の給付や介護保険サービスの利用には、要支援や要介護認定が必要です。

年金保険

個人事業主が加入する年金保険は「国民年金」です。日本国内の20歳〜60歳未満の人に加入義務があり、基本的には全額自己負担です。年金保険には、障害基礎年金や遺族基礎年金も含まれており、高齢者支援だけでなく、障害や死亡によるリスクにも対応しています。

国民年金制度の加入者には3つの区分があり、個人事業主は第1号被保険者に該当します。保険料は毎月定額ですが、まとめて前払いすることで割引が適用される前納割引制度が利用できます。また、付加保険料を上乗せして多く支払うことで、将来支給される老齢基礎年金の金額を増やすことも可能です。

自営業の社保と会社員の保険の主な違い

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個人事業主と会社員とでは、加入できる社会保険が異なります。会社員の場合、前述の個人事業主向けの3つに加えて、雇用保険と労災保険に加入できます。個人事業主と会社員の社会保険に関する違いは以下の通りです。

個人事業主 会社員
健康保険 ・国民健康保険・医療費負担は3割・前年の所得に応じた保険料 ・健康保険組合や共済組合など・医療費負担は3割・一定期間の給与などに応じた保険料
年金保険 ・国民年金保険・保険料は全額自己負担・納付額や受給額は比較的少ない ・厚生年金保険・毎月の保険料は会社と折半・納付額は割高な分、受給額が大きい
介護保険 ・40歳以上65歳未満:40歳以上の世帯員全員分・65歳以上で年金受給者:年金から差し引かれる
雇用保険・労災保険 ・いずれも加入できない ・事業主が雇用保険の加入義務あり・労災保険に加入できる

会社員は、雇用先企業が指定する健康保険組合や公務員向けの共済組合に加入できます。こうした健康保険では、療養時や病欠時などに傷病手当金を受け取れますが、国民健康保険には用意されていません。

会社員から個人事業主になる場合の社会保険の注意点

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会社員から個人事業主になる際には、社会保険が大きく変わります。ここでは、個人事業主として独立する際に注意したいポイントについて解説します。

社会保険の切り替え手続きが必要

個人事業主として社会保険に加入するためには、切り替えの手続きが必要です。国民健康保険や国民年金保険は、住んでいる地域の市区町村役場にて手続きができます。

手続きは会社員を退職した翌日から14日以内に行うように定められています。手続き完了後は、口座振替やコンビニ払いなど希望する納付方法で毎月保険料を支払います。

家族の社会保険料も支払う必要がある

会社員の間に家族が扶養に入っていた場合、個人事業主になることで別途社会保険料の徴収があります。また、従業員を雇う場合は、労災保険や雇用保険の支払いが義務付けられています。

上記により、社会保険料の負担が大きくなり、所得が圧迫される場合があるので注意が必要です。

社会保険料は経費ではなく控除扱い

個人事業主として支払う社会保険料は、経費として計上できません。個人事業主になると確定申告が必要ですが、社会保険料は控除として扱われます。経費として処理してしまわないよう注意しましょう。

もちろん、家族の社会保険料も控除対象に含まれるので、節税対策のためにも忘れずに計上しましょう。

個人事業主が検討すべき社会保険以外の備え

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個人事業主は、会社員のように労災保険や雇用保険には加入できないため、怪我や病気で働けなくなった場合の補償が受けられないというデメリットがあります。また、会社員の厚生年金がない分、老後の支給額が少なくなる可能性もあり、備えとして他の保険制度も検討する必要があります。

ここでは、社会保険以外に個人事業主が利用すべき保険や各種制度について解説します。

医療保険:入院や手術に備える

入院や手術など、国民健康保険だけではカバーしきれない部分に対して、民間の医療保険を利用するという選択肢があります。国民健康保険では、自己負担3割で治療を受けられますが、入院中の食事代や差額ベッド代などは別途発生します。

そうした費用に対して給付が受けられる医療保険に加入して、万が一の事故や病気に備えることが可能です。

就業不能保険:傷病手当金の代わり

個人事業主は、急な病気や怪我などによって働けなくなった場合に収入が途絶えてしまいます。そこで、所得補償保険や就業不能保険を利用することで、自宅療養が必要などで従来通りに働けなくなった場合にも、給付を受けられます。

医療保険と違って入院が不要な状況で、なおかつ就業が不可能と診断された人のみが、保険金を受け取れます。

個人年金保険

個人事業主が将来に備える方法として、会社員との年金差額を減らすことを目的とした「国民年金基金」という公的年金制度や、企業年金に相当する「確定拠出年金」に加入する、という手もあります。

また、私的年金である民間の「個人年金保険」では、契約から一定期間もしくは亡くなるまでの期間に、一定額の年金が受け取れます。個人年金保険では、保険料や運用方法の選択肢が多く、年金保険料の運用実績次第で受け取り額が変動する変額年金タイプもあるので、比較検討して選ぶと良いでしょう。

まとめ:個人事業主は社会保険と他の保険でリスク管理を

個人事業主でも、国が定める社会保険制度を利用することは可能です。ただし、会社員と違って加入できる社会保険が少ないため、自分や家族を守るための備えを別に用意する必要があります。

事業のリスク管理と同様に、自分自身のリスク管理として、民間の医療保険や就業不能保険、個人年金保険などを検討しましょう。

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