起業すると言っても、用意しておくべきもの、あるいはしておくべきことはたくさんあるので混乱してしまう可能性があります。初心者は事前に何を用意してどう行動すべきなのかを確認してから、起業を実行してみてください。
またオフィス形態をどうするのか、といった点も重要視して準備を行っていきましょう。今回は起業する際の確認ポイントをまとめていきます。
起業条件が緩和され0円スタートもできるように!ただし注意点もあり
以前、起業するにはハードルが高めの条件が法律で設定されていました。たとえば株式会社では1,000万円、有限会社では300万円の資本金が必要になっていました。
しかし状況が変わり、こういったルールを策定していた「会社法」が改正されたので条件は撤廃されています。たとえば起業する際の資本金は、1円からでもスタートできるようになっています。コスト面等からハードルが緩和されたことで、小規模の起業ケースも増加しました。
ただし企業が成功するかはまた別の話となります。起業を成功させて継続して企業運営を行うには、
- 人件費や設備費といったコストを工面できない
- 事業の方向性等でメンバー間の相違があり上手く作業を進められない
- 制御できないほどの事業急拡大で運営が滞る
といった課題をクリアして先に進む必要があります。こういった課題に引っ掛かって起業を成長させられず撤退してしまう企業も多く、そうならないように政府もサポートを行っていますが完全に上手くはいっていません。
そもそも資本金がある程度用意できていないのに、起業するのは危険です。初期投資コストを工面するためには、旧会社法で定められていた資本金の基準額まで達成はしていなくても、予想されるコストをまかなうだけの資本金準備が必要です。
起業する際に確認しておくべきポイントとは?資本金等の準備が必要
ここでは起業する際に確認しておくべきポイントをご紹介していきます。
事業計画書を作成する
事業の目的や詳細、必要なものなどを確認するため、まずは「事業計画書」を作成する作業をしましょう。事業計画書は法律的に提出すべきものではありません。しかしこの後用意すべき書類の元データにもなりますし、何よりも作ったほうが事業内容等が可視化されてぶれがなくなります。
事業計画書には、
- 事業コンセプト
- 資金をどうやってあつめるか
- サービス・商品の内容
- 人員計画
- 販売戦略
などを書き記しておきます。
事業計画書が書ければ、起業するにはどのくらい事前に予算を用意しておくべきかが把握しやすくなるのもメリットです。
最新ニュースなどを確認しておく
事業を成功させたり、会社法へいち早く対応するためには、最新ニュースの確認も重要です。
- 新聞で確認する
- インターネットで情報収集する
といった方法で立ち上げ方や準備方法等に変更が入っていないか確認しておきましょう。
特に最近はコロナ禍でどんな変化が発生するのか不透明な状況です。追い風になる変更もあるかもしれないので、ぜひ起業後も含めて会社法等の最新情報は収集してフィードバックしておいてください。
資本金は事前に必要とされる分は用意しておく
資本金は新会社法によって1円からスタートできるようになりました。しかし資本金がそのまま事前に起業時準備できる金額だとすると、不足した場合即事業撤退といったリスクと隣り合わせになってしまいます。
こういったリスクを減らすためには、事前に必要とされるコストを予測した上で、できればそれらのコストを払っても少しでも余裕ができるように資本金を準備することです。基準は一例として旧会社法の有限会社300万円、株式会社1,000万円を採用するケースもあります。しかし事業に必要な資本金は業種や規模感によって違うので、自分で算出して用意しておくようにしましょう。
出資・融資を受ける
資本金を自分ですべて用意できない際は、出資・融資を受ける方法がベターです。出資・融資ともに信頼性がないとお金が受け取れないのは同じです。まずはどう出資・融資先を説得できるのか考えて、必要な書類を準備してみてください。
出資・融資先としては
- ベンチャーキャピタル
- 個人投資家
- 銀行
などが考えられます。スタートアップの場合は、銀行からよりもベンチャーキャピタルや個人投資家などからのほうが出資・融資を受けられる可能性が高まるでしょう。銀行からの投資はハードルが高い点に注意して利用してみてください。
補助金や助成金を活用する
出資・融資だけでは資金が不足すると感じる場合は、政府からの補助金や助成金を活用するのも検討してみてください。補助金や助成金は事業成長やサポートのために政府が提供しているお金、あるいはその制度を指しています。
一般的に補助金より助成金のほうが受取ハードルが高いです。というのも補助金は経済・事業成長面での投資目的の割合が強く、助成金は事業の維持や福利厚生等に焦点が当てられているからです。どちらも後払いになる、といった点は変わりませんが、補助金は申請条件をクリアしていてももらえない可能性があります。助成金の場合は条件をクリアしていれば誰でももらえるのがポイントです。
後払いになるという性質に注意しながら、両サポート制度を活用してみてください。確実に受け取りたい場合は助成金のほうが安心できるのでおすすめです。
必要書類の確認や書き方の確認をする
会社法で起業する際に用意しておくべき書類は決まっています。
- 定款
- 印鑑届出書
- 設立登記申請書
こういった書類は書くのが面倒なものもあるので、事前に正しい書き方や提出方法などを確認しておく必要があります。ちなみに書類を準備したり提出したりする際に、収入印紙代(紙で用意する場合は4万円)や認証手数料(5万円)などが発生するので注意しておいてください。
また起業後も財務等でさまざまな書類が必要です。余力のある方は、ぜひ起業後に必要になるであろう書類の書き方や提出方法なども確認しておきましょう。
広告等を宣伝に上手く使う
企業の前後では宣伝が欠かせません。認知度向上や取引先増加などへ関係してくるからです。宣伝に使える媒体としては
- 広告
- オウンドメディア
- SNS
などがあります。
広告は有料で効率よく認知度を上げる方法として有効です。Web広告だとコストコントロールがしやすく規模感も調整しやすいのでおすすめの方法になっています。
オウンドメディアは自社で運用ができるメディアとして、事業紹介やユーザーの役に立つ記事などをアップロードできます。継続的に運用できる担当者配置などは必要ですが、コストを掛けずに宣伝を行う方法として役に立つでしょう。
SNSは会社のファンを作ったり、取引先を発掘したりするのに向いています。近年ではビジネス利用を前提としたSNSも登場しており、宣伝等に役立てられています。
各媒体の性質を利用した効率よい宣伝を心掛けてみてください。
オフィス代を抑える
オフィス代は起業後も継続して発生するお金です。月額払いだったりするとどんどんかさんでいくのでなるべく減らしておきたい費用になっています。
選ぶべきオフィスは
- 従業員数
- 必要設備
- 事業内容
等で変わってくるのがポイントです。賢いオフィス代の押さえ方は後ほどご紹介していきます。
成長(スケーラビリティ)に合わせた環境を整備できるようにする
成長に合わせた環境とは、事業成長に合わせて従業員や設備等を安心して増やし、用意できる場所を用意するということです。極端な話、コストを抑える点だけを考えてすぐに場所を変えられないところで作業をすべきではありません。また事業に活用するツールに関しても、プラン等を簡単に変更・調整できない内容で契約するのは危険です。
- 万が一の際すぐ契約解除できるか
- スモールスタートしながら少しずつ従業員や設備を増やせる場所か
- ツールの場合はプラン内容を従業員数や拠点などで変更できるか
といった点を確認して、環境を整備する必要があります。
テレワークできることを前提にした環境にする
できない事業タイプもありますが、基本的にはテレワークができることを前提にしてオフィスを組み立てたほうがよいです。
今後コロナ禍以外の災害やトラブルが起きる可能性もありますし、DXのためにはさまざまな働き方が実現できる環境のほうが好ましいです。そのため
- 事業継続計画が簡単に立てられる環境になっているか
- テレワークに必要な回線や機器は用意できているか
- ルール整備は万端か
といった点を確認して作業環境を用意しておきましょう。雇用面等でも多様な働き方の推進は役立ちます。
起業に最適なオフィス形態って何?レンタルオフィスもおすすめ
オフィスの形態には
- 自宅を活用
- レンタルオフィスと契約する
- コワーキングスペースを使う
- 1から建設して用意する
などさまざまあります。
どのオフィスにもメリット・デメリットがありますが、
- 完全個室で作業したい
- コストを抑えながら設備も最低限すぐ用意したい
- 状況によって迅速にプラン内容等を変更できる場所がよい
といったニーズにはレンタルオフィスが一番適しています。
レンタルオフィスであれば完全個室タイプが多いですし、椅子やWi-Fiといった設備も大体用意されています。さらに入退去に関する手間もあまり掛かりません。
弊社「Re:Zone」では奈良県・大阪府等を拠点として
- 低コスト
- 完全個室
- 基本設備完備
- 原状回復費なし
といった特徴のあるレンタルオフィスを提供しております。ITだけでなく実店舗を必要とされる職業にも対応したオフィスを提供しているので、気になる方はぜひご相談ください。
まとめ
今回は起業するにはどうしたらよいのか、確認すべきポイントをまとめてきました。
起業するには資金面や手続き面といった点で課題をクリアして、起業を実行する必要があります。事前にポイントを確認しておけばスムーズに起業できますし、変な個所でつまづくリスクも抑えられるでしょう。
起業するにはレンタルオフィスの活用もおすすめです。ぜひ作業環境等もよく考えてから起業できるように準備をしておきましょう。