レンタルオフィスやコワーキングスペースでは異なる空調システムを導入しています。快適に利用するためには、室温調節は重要です。契約前に空調の運転時間や方式をチェックしておくと良いでしょう。
この記事では、レンタルオフィスやコワーキングスペースにおける空調の仕組みや個室空調の注意点、選び方のポイントなどを紹介します。詳しく知りたい方は、ぜひ最後までお読みください。
レンタルオフィスやコワーキングスペースの空調は2種類
レンタルオフィスやコワーキングスペースで採用されている空調には、セントラル空調と個別空調の2種類があります。それぞれの特徴を大まかに紹介します。
セントラル空調の特徴
セントラル空調は、建物全体の空調を1箇所で制御する方式で、ワンフロアの面積が広い大型のビルで多く採用されています。広い空間に多くのテーブルやデスクを配置しているコワーキングスペースでは、基本的にセントラル空調を取り入れています。
セントラル空調では、コアタイムという時間帯料金があり、決められた時間内は基本料金のみで利用可能です。コアタイムは平日日中に設定されていることが多く、電気代を安く抑えることができます。ただし、個別の温度調整ができない点というデメリットがあります。
個別空調の特徴
個別空調は、名前のとおり個別に空調を調節できる方式です。個室や会議室など、部屋ごとの温度変更やオンオフの切り替えが可能。必要な時間に必要な分だけ使えるため、無駄を省くことができます。使用する本人が快適に過ごせるように調整しやすい点もメリットです。
使った分だけ電気代が発生するため、こまめに消すよう意識すると節約につながるでしょう。
現在では、セントラル空調と個別空調を併用する建物も増えています。もともとセントラル空調のみであった大型ビルに、後から個別空調を付け足すケースも珍しくありません。
レンタルオフィス個室の空調に関する注意点
レンタルオフィスには少人数で使用できる個室が完備されており、各部屋ごとに個別の空調がついています。個室の空調を利用する際に知っておきたい注意点を2つ紹介します。
1. 空調の運転時間と時間外費用
空調が利用できる時間は、レンタルオフィスの営業時間と異なることがあります。オフィス自体は24時間営業でも、スタッフがいる時間しか空調が使えないケースや、クローズする1時間前に空調がオフになってしまう場合などです。事前に依頼すると、延長して空調が使える場合もあります。延長の際には時間外費用も要チェックです。
特に真夏や真冬など外気と室温の差が大きくなる季節は、空調が止まると過ごしにくくなります。快適に仕事を進めるためにも、空調が使える時間と時間外の使用料について事前に確認しておきましょう。
2. 空調の修理費用の負担
個別の空調が完備されている場合、故障時の修理費用は誰が負担するのかを明確にしておくことも重要です。契約当初から経年劣化などで調子が悪いなど、オーナーが負担するケースもありますが、拒否されてトラブルとなる可能性もゼロではありません。
修理だけでも高額になりやすいところ、新品と交換する必要が出てくると大きな出費となります。契約内容にエアコンに関する記載があるか、契約前に必ず確認しておきましょう。ない場合は、オーナーを相談して取り決めておくと安心です。
レンタルオフィスやコワーキングスペースで快適に過ごす対策方法
レンタルオフィスの個室以外では、シェアオフィスやコワーキングスペースで個人が空調を調節することは難しいかもしれません。そこで、共有スペースでも快適に過ごすための対策を紹介します。オフィスの規約の範囲内でできることから取り入れてみてください。
1.扇風機やサーキュレーターを利用する
空調からの風を循環させるために、扇風機やサーキュレーターを利用しましょう。エアコンの空気を流すことで、空調の近くだけが涼しい、あるいは温かい状態を解消し、室温を均一に保つことができます。室内のどこにいても全員が快適に過ごせるようになります。
最近では、ノートパソコンにつなげて使えるUSB扇風機や、静音タイプのサーキュレーターなど、便利なアイテムが手軽に手に入ります。同じスペースで過ごす他の人の邪魔にならないよう考慮した上で取り入れると良いでしょう。
2. 羽織物やブランケットなどを持参する
温度の感じ方は個人差があるので、自分で工夫することも大切です。特に、個室のないコワーキングスペースやレンタルオフィスの共有スペースなどでは、自分の希望だけで温度設定を変えられないため、個人で対策する必要があります。
夏場の冷房で冷えを感じやすい人は、羽織物やブランケットを使って体が冷えすぎないようにしましょう。1時間に1回デスクを離れて、軽く体を動かすなどの対策もおすすめです。
3. 可能な場合は定期的に換気する
長時間空調を使用していると、空気の質が変わってくる感じがします。可能であれば、窓やドアを開けて定期的に換気を行いましょう。新鮮な空気を取り込むことで、空気の質をキープでき、快適に過ごすことができます。また、冷房や暖房をつけっぱなしにすると、寒すぎ・暑すぎになりやすいですが、窓やドアを開けて空気を循環させることで、極端な温度変化を防げます。
窓がない部屋など換気が難しい部屋や、プライバシーやセキュリティの関係上、締め切らなければならない場合は、空気清浄機の利用もおすすめです。
レンタルオフィス・コワーキングスペース選びのポイント
ここで、レンタルオフィスやコワーキングスペースの選び方のポイントを紹介します。空調の有無を含め、契約前に知っておきたい要点をまとめましたので、チェックしてください。
1. 空調や防音などの仕様や設備
空調だけでなく、防音などの仕様も重要です。多くの個室では、独立した空調があり、ドアや窓を締め切ると防音仕様になっています。共用エリアの音が入ってくる心配がないので、音を気にすることなく作業に集中できるでしょう。
また、プリンターやコピー機などのOA機器や、デスクなど必要な設備が揃っているかも大切です。
2. アクセスのしやすさ
オフィスとして使う場所は、アクセスのしやすさも重要です。駅からの距離だけでなく、よく訪問する取引先からの移動など、普段の行動パターンを考慮する必要があります。一般的に駅から遠い方が料金は安くなりますが、移動に時間とエネルギーを要します。
「契約したものの、アクセスが悪くて利用頻度が減ってしまった」というもったいない事態を避けるためにも、実際に行き来しやすい立地かを吟味して決めましょう。
3. 料金システム
レンタルオフィスやコワーキングスペースは、運営会社や場所ごとに料金制度が異なります。利用時に必要となる主な費用には、次のものがあります。
- 入会金
- 月額利用料
- 水道・光熱費
- 敷金・礼金
- 保証金
- 共益費
- オプションの費用
月額利用料に共益費や、空調などの水道光熱費が含まれている場合もあります。契約後に予算オーバーとならないためにも、合計でいくら支払うのか金額の内訳を理解した上で契約手続きを進めましょう。
4. 郵便物受け取りなどの付帯サービス
無料または有料で使える付帯サービスの内容も、運営元や契約プランによって異なります。代表的なサービスを挙げます。
- 郵便物の受け取り
- 法人登記
- 電話引き継ぎサービス
- 会議室の利用
- バイリンガル対応
- 秘書業務サポート など
郵便物の受け取りといっても、専用ポストに投函されるタイプだと、自分でオフィスに取りに行く必要があります。サービスの内容をよくチェックし、必要かどうかを吟味してオプションを利用するか決めると良いでしょう。
まとめ
レンタルオフィスやコワーキングスペースでは、入居しているビルや建物ごとに異なる空調の制御システムを採用しています。レンタルオフィスの個室など、個別空調がある部屋以外は、全体の温度が一括管理されており、個人の希望で室温を変更することは難しいでしょう。個別空調が利用できる場合は、温度や強弱までコントロールできるか、利用時間や故障時の対応などについても事前に確認しておくと安心です。レンタルオフィスやコワーキングスペースで快適に作業をするために、自分でできる温度対策も取り入れていきましょう。