ペットシッターとして独立する際、自宅の住所を公開するのに抵抗を感じたり、賃貸物件の契約条件に不安を抱えたりする人は多いでしょう。
第一種動物取扱業の登録では事務所の所在地が必要ですが、必ずしも自宅である必要はありません。住所を安心して公表し、費用を抑えながら信頼性を高める方法として、レンタルオフィスの活用が注目されています。
本記事では、ペットシッター開業時に確認したい登録条件、レンタルオフィスを利用するメリット、選ぶ際の注意点について解説します。
ペットシッターがレンタルオフィスを使う前に確認したい登録条件

ここでは、ペットシッターとして開業するにあたって確認したい第一種動物取扱業の登録要件と、事務所として使用する物件の確認ポイントを紹介します。
第一種動物取扱業の登録要件
ペットシッターとして開業するには、動物愛護管理法に基づく第一種動物取扱業の登録が必要です。
第一種動物取扱業は、販売、保管、貸出し等の七種別に分かれており、ペットシッターは「保管」に分類されます。
登録は事業所ごと・業種ごとに必要で、5年ごとに更新します。
レンタルオフィスで確認したい物件条件
ペットシッターとして開業するには、第一種動物取扱業の登録を事業所ごとに受ける必要があります。
そのため、レンタルオフィスを使いたい場合も、その住所を事業所として登録できるかを事前に確認しておくことが大切です。
また、飼養施設がない場合でも、事業の実施に必要な権限を示す書類の提出を求められることがあります。
契約前に、事業利用が認められているか、また登録時に使える書類を運営会社が発行できるかを確認しておきましょう。
ペットシッター開業に必要な書類と登録の流れ
ペットシッターとして開業する際は、必要書類が多く、申請から登録証の交付まで一定の手順を踏むため、全体の流れを先に把握しておくことが重要です。
ここでは、第一種動物取扱業の登録に必要な書類と、申請から登録証交付までの流れを紹介します。
第一種動物取扱業の登録に必要な書類
第一種動物取扱業の登録申請には多岐にわたる書類が必要です。ここでは「申請書」「場所使用承諾書」「欠格事項に該当しないことを示す書類」の主要な3つを中心に解説します。
また、手続きにはこのほかにも「動物取扱責任者の資格・実務経験を証明する書類(必須)」や、「事業所の平面図・付近の見取図」などが求められます。
詳細な必要書類は、必ず管轄の保健所ホームページで最新情報をご確認ください。
申請書
第一種動物取扱業の登録申請では、所轄の自治体に提出する「申請書」が必須です。
申請書には事業所の名称や所在地、動物取扱責任者の氏名、業務の内容等を記載します。
複数の種別を同じ事業所で行う場合は種別ごとに申請書を作成し、各業種分の登録を受けなければなりません。
様式は自治体ごとに提供されており、提出部数や印刷ルール(両面・片面)は自治体によって異なるため、事前に確認が必要です。
申請前には建築基準法や都市計画法による用途制限を確認し、必要に応じて担当の保健所や動物保護管理センターに相談しておきましょう。
場所使用承諾書
事業所や飼養施設が自己所有の土地・建物でない場合には、所有者や管理者から「場所使用承諾書」を取得し、申請書に添付する必要があります。
場所使用承諾書は、事業所住所や申請者の氏名・住所、使用期間などを記入し、所有者が第一種動物取扱業の事業所または飼養施設として使用することを承諾したことを証明する書類です。
業種や取り扱う動物種が限定される場合はその旨を注記するなど、虚偽記載がないよう細心の注意を払って作成しましょう。
出典:動物取扱業の事業の実施に係る場所使用承諾証明書│大阪市
欠格事項に該当しないことを示す書類(欠格事項非該当書類)
申請者や法人の役員、動物取扱責任者が欠格事項に該当しないことを証明するために、環境省が定める様式に沿った「欠格事項非該当書類」を提出します。
欠格事項とは、動物の愛護及び管理に関する法律第12条に規定された登録拒否事由のことで、例えば以下のような者が該当します。
- 心身の故障などで業務を適正に行えない者
- 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
- 過去に第一種動物取扱業の登録を取り消され、処分日から5年を経過していない者や、その法人の役員だった者
- 業務停止命令の期間中の者や禁錮以上の刑の執行終了から5年以内の者
- 動物関連法規や狂犬病予防法などの違反で罰金以上の刑を受け、執行終了から5年を経過していない者
- 暴力団員や暴力団員でなくなって5年未満の者
- 第一種動物取扱業に関して不正・不誠実な行為を行うおそれがある者
上記に該当しないことを自己申告し、氏名や生年月日等を記載して提出します。
虚偽が判明した場合は登録の拒否・取消しの対象になり、法人の場合は役員全員分の書類が必要です。
出典:動物の愛護及び管理に関する法律 | e-Gov 法令検索
出典:第一種動物取扱業登録申請等の諸手続き│大阪市
法人は登記事項証明書も必要になる
法人として開業する場合は、基本書類に加えて登記事項証明書や役員名簿などの会社情報を提出しなければなりません。
登記事項証明書は法務局で取得できるもので、会社の基本情報が記載されています。発行後3カ月以内のものが必要で、古い証明書は受理されません。
役員名簿は役員全員の氏名と住所を記載した一覧表で、会社の経営体制を確認するために提出します。
法人格の有無によって必要書類が変わるため、会社を設立したら早めに登記事項証明書を取得し備えておくと手続きがスムーズです。
申請から登録証交付までの流れ
必要書類を提出し、手数料を納めると、自治体による書類確認が行われます。さらに、飼養施設がある場合は、あわせて施設の確認を受けることがあります。
その後、申請内容に問題がなければ登録番号が発行され、登録証は後日交付されます。
営業を始める際は、事業所に標識を掲示し、事業所以外で営業する場合は識別章を掲示しなければなりません。
登録完了までには一定の期間を要するため、開業時期を見据えながら、余裕を持って準備を進めておくと安心です。
ペットシッターの申請費用と更新費用

第一種動物取扱業の登録では、申請手数料だけでなく、研修費や必要書類の取得費用なども発生するため、開業前に必要な金額の目安を把握しておくと安心です。
ここでは、登録申請にかかる費用と更新申請にかかる費用を紹介します。
登録申請にかかる費用
新規登録の手数料は自治体ごとに異なります。
一例として大阪市では、種別数に応じて以下の手数料がかかります。
- 1種別 15,000円
- 2種別 22,500円
- 3種別 30,000円
- 4種別 37,500円
- 5種別 45,000円
上記に加えて、動物取扱責任者研修の受講手数料や必要書類の取得費用がかかります。
開業時に必要な総額は、申請する自治体によって変わるため、営業予定地域の最新情報を事前に確認しておきましょう。
更新申請にかかる費用
更新申請は、有効期間満了前に行う必要があります。
例えば大阪市の場合、種別数に応じて以下の手数料が定められています。
- 1種別 13,000円
- 2種別 19,500円
- 3種別 26,000円
- 4種別 32,500円
- 5種別 39,000円
更新手続きの詳細は、自治体の案内を早めに確認しておきましょう。
出典:第一種動物取扱業登録申請等の諸手続き│大阪市
大阪市動物の愛護及び管理に関する条例│大阪市
ペットシッターがレンタルオフィスを使用するメリット

レンタルオフィスは、住所を借りるためだけのものではなく、安心して事業を続けるための環境づくりや信頼性の向上にも役立ちます。ペットシッターがレンタルオフィスを利用する主なメリットを紹介します。
自宅住所を公開せずに事業所を構えられる
レンタルオフィスを利用すれば自宅住所を公表する必要がなく、個人情報の漏えいや家族の安全リスクを軽減できます。
申請書類や名刺にはオフィス住所を記載でき、突然の訪問やプライバシーの侵害を避けやすくなります。
特に女性オーナーや子どもがいる家庭でも安心して事業を行える点は大きなメリットです。
商談・契約説明・研修に使える場所を確保できる
会議室や打ち合わせスペースを備えたレンタルオフィスであれば、飼い主との事前面談や契約内容の説明、スタッフとの打ち合わせ、研修などを落ち着いた環境で実施できます。
自宅やカフェでは伝えにくい重要事項についても説明しやすく、資料の受け渡しや書類確認も円滑に進めやすくなります。
さらに、プライバシーが確保された業務空間を持つことで、契約時のように慎重な対応が求められる場面でも、事業者としての信頼性や誠実な姿勢を示しやすくなります。
信頼性を高める運営体制を整えられる
ペットシッターは、お客様の大切な家族を預かる仕事です。レンタルオフィスを活用して「事業専用の住所や電話番号」を整えることは、事業としての実態を明確に示し、お客様へ安心感を与えることにつながります。
また、自宅住所と切り離して事業情報を管理できるため、公私の区別がついた効率的な運営体制を構築しやすくなるのもメリットです。
事務所の所在地を名刺やホームページ、契約書類で統一して表記できるため、対外的なブランドイメージを確立しやすく、信頼を積み上げやすくなります。
ペットシッターがレンタルオフィスを選ぶ際の注意点

ペットシッター向けにレンタルオフィスを選ぶ際は、「場所使用承諾書」の発行可否を必ず確認しましょう。
第一種動物取扱業の登録申請では、賃貸物件を事業所にする場合、物件所有者(オーナー等)による署名入りの使用承諾書が必要です。
そのため、契約前に「動物取扱業の登録用として承諾書を発行してもらえるか」を運営会社へ確認しておくことが不可欠です。
また、物件自体にペット関連事業の制限がないか、運営側の意向と合致しているかも重要です。
規約に反する利用はトラブルを招くため、開業準備の早い段階で相談し、時間的な余裕を持って承諾書を取得できるよう進めましょう。
レンタルオフィスRe:ZONEは、ペットシッターの開業に対応しています
レンタルオフィスRe:ZONEは、第一種動物取扱業(保管)の登録要件を満たす事業拠点としてご活用いただけます。
- 登録をスムーズに
申請に必要な「場所使用承諾書」の発行に対応しているため、登録に向けた準備を進めやすい点が特長です。 - 事業用拠点としての活用
出張型のペットシッターなど、飼養施設を設けない営業形態に適しています。
なお、オフィス内での生体の飼育や預かりを前提とした利用には対応しておりませんので、あらかじめご了承ください。 - 低コストで事業拠点を確保
自宅住所を公開することなく、事業所住所を確保しながら開業準備を進められます。
安心して開業の第一歩を踏み出したい方は、レンタルオフィスRe:ZONEをご検討ください。
まとめ:ペットシッター開業では登録条件に合うレンタルオフィス選びが重要
ペットシッター開業にあたってレンタルオフィスを活用することは可能ですが、第一種動物取扱業の登録要件を満たせるかを事前に確認することが重要です。特に、事業所として登録できる住所であるか、場所使用承諾書の発行に対応しているかは、契約前に必ず確認しておきたいポイントです。
レンタルオフィスを活用すれば、自宅住所を公開せずに開業しやすくなるだけでなく、商談や契約説明の場を確保しやすくなり、信頼性のある運営体制も整えやすくなります。
ペットシッターとして安心して事業を始めたい方は、登録条件と物件条件を丁寧に確認したうえで、自分の営業形態に合ったレンタルオフィスを選びましょう。




