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合同会社の定款の作り方|ひな形や電子定款の作成・注意点も解説

法人の方向けコラム

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合同会社の定款は、会社設立時に必要な書類の1つです。近年は法人設立の形態として合同会社を選ぶケースが増えており、自分で設立登記を完了する人も少なくありません。ただ、定款は専門的な内容も含まれるため、正しく理解して作成する必要があります。

本記事では、合同会社の定款の作り方や記載内容といった基本事項から、紙と電子の違い、注意点まで、法務省が公開している申請書を元に解説します。定款作成に役立つひな形も紹介するので、合同会社の設立を考えている方や定款作成について理解を深めたい方は、ぜひご覧ください。

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合同会社の定款とは

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そもそも「定款(ていかん)」とは、会社の根本規則や運営上のルールをまとめた書類のことです。会社法においては「自ら定めた定款に従って会社運営を行う」と示されており、定款は「会社の憲法」などと呼ばれるほど、企業運営に関する最も重要な規約でもあります。

株式会社や合同会社といった会社の形態によらず、会社設立時には必ず定款を作成する必要があります。法務省の「合同会社設立登記申請書」にも、会社を設立する際に定款を添えて提出するよう記載されています。

株式会社の定款との違い

定款に記載すべき項目は、会社の形態ごとに異なり、株式会社よりも合同会社の方が項目が少ないため、比較的簡単に作成できます。合同会社の記載事項としては、会社の商号(名称)や事業内容、本店所在地、社員や役員選任に関するルールなどが上げられます。

株式会社の場合、株式の譲渡制限や発行株数といった株式に関する事項が含まれますが、合同会社では株式は扱わないため不要です。また、株式会社では、定款作成後に公証人による認証が必須ですが、合同会社では認証手続きも必要ありません。

紙の定款と電子定款の違い

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会社の定款は、紙の定款と電子定款の2種類があります。従来は紙の定款が一般的でしたが、電子データとして作成できる電子定款を選ぶ人も増えています。

紙の定款と電子定款の主な違いはコストです。合同会社の場合、株式会社の定款に必須となる認証が不要なため、印紙代はかかりません。つまり、紙の定款を自分たちで作成すれば、コストを抑えることが可能です。

一方、電子定款はCD-ROMなどで作成しますが、PDF作成ソフトやカードリーダーといった専用機器を用意しなければならず、購入費用がかかります。機器を購入せずに作成したい場合は、司法書士など法律家に依頼することとなり、依頼費用を支払う必要があります。

コスト面では紙の方が有利に見えますが、自分で作成するとなると労力や時間を要します。万が一不備があった場合は、やり直しによって法人設立が中断する可能性もあり、手続きにおけるリスクを考えると、プロに相談するなどの選択肢も考慮した方が良いでしょう。

合同会社の定款に記載する3つの項目

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合同会社の定款に記載する内容は、主に3つです。法務省のホームページ内にも詳しく記載があります。ここでは、3つの事項について具体的に見ていきましょう。

絶対的記載事項

「絶対的記載事項」とは、名前の通り定款に必ず記載すべき事項です。合同会社において、必ず定めなければならない以下のような項目を記載します。

  • 事業目的
  • 会社の商号
  • 本社(本店)所在地
  • 社員の氏名・住所
  • 全社員を有限責任社員とする旨の記載
  • 社員の出資目的およびその価額、評価の標準

合同会社は、株式会社と違って株式や株主についての決まりはありませんが、出資者の情報を記載するよう定められています。合同会社の出資者である「社員」全員の氏名と住所を印鑑証明書の通りに記します。

また、合同会社の社員はすべて有限責任(出資の範囲内でのみ責任を負うこと)であるため、定款にもその旨を明記します。これは、会社が負債を抱えることになっても、社員は出資額のみを失うことを意味します。

相対的記載事項

「相対的記載事項」は、会社法の規定により定款内で定められていない場合には効力を生じない事項です。記載しなくても問題ありませんが、会社運営のルールを相対的記載事項として定めることが可能です。具体的な記載内容としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 業務執行社員の指名と選任方法の定め
  • 利益の配当に関する事項
  • 持分譲渡の事項
  • 会社の存続期間・解散事由についての定め
  • 社員の退社に関する事項

任意的記載事項

「任意的記載事項」は、絶対的記載事項および相対的記載事項以外の事項で、会社法に反しない範囲で必要に応じて任意に定める事項のことです。主な項目は、以下の通りです。

  • 事業年度(決算期)
  • 業務執行社員の員数や報酬

ただし、定款に一度記載した内容は簡単に変更できないため、安易に盛り込むことはせず事業計画や会社全体の組織構成などを考慮した上で決定する必要があります。

合同会社の定款のひな形

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合同会社の定款のひな形や見本は、法務省のホームページにて「合同会社設立登記申請書」の一部として公開されています。書き方の説明も記載されているので、見ながら定款を作成することが可能です。

法務省 合同会社定款ひな形

また、インターネット上で検索すると、法律の専門家によるテンプレートも多数見つかるので、参考にしてみましょう。

合同会社の定款の注意点

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定款は会社設立時の重要な書類であり、正しい情報を適切に記載する必要があります。ここでは、定款作成時に気をつけたい注意点について解説します。合同会社のスムーズな設立のために、ぜひ参考にしてください。

誤字脱字NG!細部まで不備がないか確認する

定款を提出する際は、記載内容に不備がないか入念に確認しましょう。誤字脱字などの軽微なミスであっても無効とされる可能性があるので、提出前によくチェックする必要があります。

合同会社の場合、株式会社に比べて定款の記載内容が少ないため簡単に作成できますが、ちょっとした表現の違いによっても解釈が変わり、大きな問題に発展することも考えられます。氏名は印鑑登録証明書と相違ないものを記載すること、住所の番地もハイフンで省略せずに正しく表記すること、などに注意が必要です。

作成した後はそのまま法務局へ提出できますが、提出前に複数人でチェックを行い、誤字脱字や形式上の不備だけでなく、内容自体にも問題がないかを確認しましょう。

独自のルールまで漏れなく記載する

合同会社の場合、独自のルールを定款で定めることが可能です。定款の自由度が高く、定められる範囲が広い上、社員が対等な議決権を持つ組織のため、自社独自のルールを設定しやすい傾向があります。

公平性や秩序を保つルールを定めるためには、正しく定款に記載することが大切です。特に、事業継承や利益・財産の分配などは、揉め事の要因になりやすい項目です。長期的な視点をもって慎重に検討した上で、どういった決まりなのか、できる限り詳しく細部まで漏れなく記すようにしましょう。

変更・修正は簡単にできない

合同会社の定款の内容は、簡単に変更、修正することはできません。定款を変更したい場合には、原則として社員全員で決議を行い、全員の同意を得る必要があります。加えて、法務局に登録免許税を支払い、登記を行うこととなり、変更する項目によって数万円の手数料がかかります。

余分なコストを出さないためにも、定款を慎重に作成することが大切です。なお、修正箇所は二重線を引き、その上に正しい文字を記入した上で、最終ページに修正がある旨と訂正印を押印します。修正ペンや塗りつぶしは無効となるため注意しましょう。

まとめ:合同会社設立時は定款の作成・提出が必須

合同会社の設立時には、定款の作成が必須です。株式会社よりも自由度が高く、自ら作成することも可能ですが、記載内容や表現など細かな注意点が多数あります。また、本来事業に費やす時間を定款作成に割くことになるので、司法書士や行政書士などの専門家に相談、依頼することも検討しましょう。

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