レンタルオフィスで公認会計士として開業できるのか、独立を前に事務所の構え方で迷っていませんか。
公認会計士は事務所の形態に法律上の制限が少なく、運営会社が事務所登録と登記を認めた個室型のレンタルオフィスなら、拠点として問題なく使えます。
本記事では、公認会計士の開業登録の要件と、レンタルオフィスで開業するメリットを解説します。
あわせて、税理士登録を併せる場合の注意点や、選ぶ際の確認ポイントも紹介します。
レンタルオフィスで公認会計士は開業・事務所登録できるのか

公認会計士の事務所は形態に関する法律上の定めが少なく、レンタルオフィスも拠点として届け出られます。
ここでは、その根拠となる法令と開業登録の要件、オフィス形態による違いを紹介します。
公認会計士の事務所に法律上の制限が少ない理由
公認会計士法第17条は、公認会計士名簿への登録事項として氏名、生年月日、事務所などを挙げています。
事務所の面積や個室の有無までは条文に定めがなく、実際に業務を行える場所であれば形態は問われません。
届け出た住所をもとに登録の手続きが進むため、レンタルオフィスの個室と自宅のいずれも拠点として選べます。
公認会計士の開業登録で求められる要件
独立して業務を営むには、まず公認会計士試験に合格し、業務補助などの実務経験と実務補習を経て、修了考査に合格することが前提です。
要件を満たした後は、日本公認会計士協会の名簿へ開業登録を申請し、登録免許税と入会金・施設負担金を納めて事務所所在地を届け出ます。
名簿へ登録されて初めて公認会計士として活動できるため、拠点の住所は申請前に定めておきます。
バーチャルオフィスと個室型レンタルオフィスの違い
公認会計士の開業登録では事務所の形態に定めがなく、住所を借りるバーチャルオフィスを所在地として届け出ることも可能とされています。
ただし、税理士登録を併せて行う場合、実態のない住所貸しは税理士業務の本拠と認められにくく、バーチャルオフィスでは登録が難しくなります。
また、住所貸しの形態は郵便物の受け取りが中心となり、執務や来客対応のための部屋までは備わらないことが一般的です。
顧客と対面し、機密性の高い書類を扱う機会を見込むなら、壁と扉で仕切られた個室を専有できるレンタルオフィスが日々の業務に適します。
公認会計士がレンタルオフィスで開業するメリット

レンタルオフィスには、独立して間もない公認会計士に合った利点がそろっています。
ここでは、開業の拠点にレンタルオフィスを選ぶ4つのメリットを紹介します。
自宅住所を公開せずに開業できる
事業用の住所を利用できるレンタルオフィスなら、自宅を事務所とせずに開業登録を進められます。
事務所の住所は、契約書や請求書、顧客への案内など業務のあらゆる場面で記載され、相手の手元に残り続けるものです。
レンタルオフィスの住所を届け出れば、業務上のやり取りと私生活の住所を切り分けられ、名刺やホームページにも迷わず記載できます。
暮らしと仕事の場を分けたい方にとって、事業用に借りられる住所は安心して開業するための備えになります。
初期費用を抑えて独立できる
レンタルオフィスは、開業時の出費を抑えながら拠点を構えられる方法です。
一般的な賃貸で必要になる保証金や内装工事、通信回線の敷設に資金を割かずに済み、机や複合機などの備え付け設備も活用できます。
抑えられた資金を広告や会計ソフト、運転資金へ振り向ければ、顧客が定着するまでの時期を落ち着いて進められます。
一等地の住所で信頼を示せる
知名度のある地域に住所を構えられる点も、レンタルオフィスの利点です。
公認会計士は上場準備企業や金融機関と関わる機会があり、事務所の所在地は事業の実在性や規模感を伝える手がかりになります。
賃貸では負担の大きい中心部の住所も、月額の利用料であれば現実的に持てるため、独立して間もない段階から相手に安心感を伝えられます。
面談スペースや会議室を必要な分だけ使える
個室に加えて会議室を時間単位で利用できる施設なら、顧客との面談や監査チームの打ち合わせに無駄なく対応できます。
少人数の相談は個室で、決算説明や複数名での会議は広い部屋でと、場面に応じて使い分けられるためです。
来客の規模が読みにくい開業期でも、常設の広い部屋を抱えずに人数へ合わせられます。
税理士登録を併せて行う公認会計士が事務所所在地で注意する点

公認会計士は、税理士登録をすれば税理士業務も担えます。
ただし、税理士事務所には公認会計士の事務所より厳しい要件があるため、拠点選びには配慮が欠かせません。
ここでは、税理士登録を見据える場合に押さえたい3つの注意点を紹介します。
税理士事務所はバーチャルオフィスでは登録できない
先に触れたとおり、住所のみを借りるバーチャルオフィスは、税理士事務所としての登録が困難です。
根拠となるのが税理士法第40条第1項で、税理士業務を行うための事務所を設けることが定められています。
基本通達では、税理士業務の本拠かどうかは外部に対する表示に係る客観的事実によって判定されると示されています。
また、税理士会の登録実務では、住所貸しだけでなく、席を専有できない共用の空間も本拠と認められにくい扱いです。
登録審査では事務所の実態が問われるため、扉付きの個室を専有できる環境を最初から整えておくと安心です。
出典:税理士制度Q&A 5 税理士事務所|国税庁
出典:税理士法基本通達40-1|国税庁
公認会計士事務所と同じ場所に税理士事務所を置く
税理士法第40条第3項は、税理士事務所を二つ以上設けることを禁じています。
公認会計士としての事務所が外部への表示から税理士事務所と認められる場合には、基本通達40-3により同項に抵触するおそれがあると整理されています。
公認会計士事務所と税理士事務所の拠点が分かれていると、看板やウェブサイトの表示のしかた次第で、二か所事務所とみなされる可能性が残ります。
税理士登録を見据えるなら、公認会計士事務所の住所をそのまま税理士事務所として届け出られるよう、拠点を最初から一つに定めておくと迷いません。
税理士登録の申請で用意する事務所書類
税理士登録では、事務所として使用できる根拠を示す書類として、賃貸借契約書の写しや間取図の提出を求められます。
契約書に使用目的として事務所と記されていない場合は、事務所の使用について所有者の同意を示す書類(事務所設置同意書など)を併せて提出することになります。
レンタルオフィスの契約が一時利用やサービス利用の名目にとどまると、審査での確認に時間がかかる場合があります。
必要書類は提出先の税理士会によって異なることもあるため、登録先の手引きと契約の名称・目的を申込前に確かめておきましょう。
公認会計士向けレンタルオフィスを選ぶ際の確認ポイント

同じレンタルオフィスでも、契約条件や設備の水準は施設ごとに異なります。ここでは、公認会計士の事務所として契約する前に確かめたい3つのポイントを紹介します。
事務所登録と法人登記への対応を確認する
はじめに確かめたいのは、公認会計士の事務所登録に使え、法人登記にも対応する施設かどうかです。
住所の利用は認めても登記は不可とする施設や、登記に追加料金を設ける施設も少なくありません。
監査法人は五人以上の公認会計士を社員として設立でき、規模の拡大に合わせて法人化を検討する場面もあります。
届け出の前提と将来の構想を運営会社へ伝え、登記の対応範囲と費用を早めに確認しておきましょう。
あわせて、官公庁からの通知や顧客からの書類を受け取るため、個別の郵便ポストが備わっているかも見ておくと安心です。
面談や打ち合わせに使える会議室の有無を確かめる
顧客との面談や決算説明の場として、施設内に会議室が備わっているかも確認しておきたい点です。
レンタルオフィスのなかには会議室を設けていない施設もあり、その場合は外部の貸会議室を都度手配する必要が生じます。
同じ建物内で面談まで完結できれば、書類を持ち運ぶ負担が少なく、機密性の高い資料を扱う打ち合わせも落ち着いた環境で行えます。
広さや収容人数、予約方法、時間単位の料金もあわせて確認しておくと、来客の際に円滑に対応できます。
防音とセキュリティの水準を比較する
公認会計士法第27条は業務上知り得た秘密の漏えいや盗用を禁じ、第52条第1項は違反に二年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金を定めています。
監査先の未公表情報や顧客の書類を扱う立場では、書類を施錠して保管できる個室と、会話が外に漏れにくい防音が欠かせません。
扉や壁が天井まで届く区画か、入退室が適切に管理されているかを見学時に確かめれば、守秘義務を担う立場でも安心して顧客を迎えられます。
レンタルオフィス「Re:ZONE」は、公認会計士の開業・事務所運営にも活用できます

事務所を構える際は、住所を開業登録や法人登記に使えるかどうかに加えて、機密性の高い書類を扱いやすく、顧客を迎えられる環境かどうかが、日々の業務のしやすさを左右します。
レンタルオフィス「Re:ZONE」は、1名から利用しやすい小規模な個室オフィスを提供しています。
独立して間もない公認会計士がひとりで業務を担う開業期の拠点としても、補助者や職員を迎えながら使う運営拠点としても活用できます。
事務作業や調書の作成を行う場所としてだけでなく、顧客との面談や打ち合わせなど、対面での来客にも対応できる点が特徴です。
レンタルオフィス「Re:ZONE」の特徴
- 大阪・関西を中心に70拠点以上を展開
- 1名から利用しやすい「完全個室」で業務に集中
- 法人登記可能、個別ポストでの郵便受け取りにも対応
- スマートロック・防犯カメラを完備し、機密書類の管理も安心
公認会計士に必要な執務・面談環境を整えやすいオフィスです
法人登記や個別ポストでの郵便受け取りに対応しているため、開業登録で届け出る事務所所在地や名刺に記す住所として使えるほか、官公庁からの通知や顧客からの書類も受け取れます。
顧客との面談や決算説明、監査チームの打ち合わせには、会議室を利用できます。
防犯カメラやスマートロックを備えた完全個室を専有できるため、監査先の未公表情報や顧客の書類を扱う立場でも守秘義務を果たしやすい環境です。扉付きの個室を専有できることから、税理士登録を併せて行う場合の拠点としても検討しやすいでしょう。
独立開業を準備中の方はもちろん、職員の増員や顧客の広がりに合わせて新たに事務所を設けたい場合にも適しています。公認会計士としての独立開業や移転の拠点をお探しの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
レンタルオフィス「Re:ZONE」を活用した公認会計士の事例
事例1:自宅住所を公開せず、サテライト事務所として活用
監査法人で17年間監査業務に従事した後、独立した公認会計士の事例です。
自宅を事務所として登録することも考えたものの、名刺への記載や会計事務所の登録を通じて自宅住所が知られてしまうことに抵抗があり、条件に合うオフィスを探すなかで「Re:ZONE」への入居を決めました。
決め手は、守秘義務を負う公認会計士にとって安心できる2か所のセキュリティ。現在は自宅と併用するサテライト事務所として活用しています。
事例2:開業当初から外部オフィスを構えて独立
公認会計士として経験を積んだ後、税理士として独立した事例です。
自宅住所の公開に抵抗があったことから、開業当初より外部にオフィスを構えると決めており、立地・賃料・設備の条件が合う「Re:ZONE」へ入居しました。
現在は無料の会議室をお客様との打ち合わせに活用しながら、将来の組織化やAIの活用も見据えて事業を育てています。
独立までの道のりや事務所選びの経緯は、インタビュー記事で詳しく紹介しています。ぜひご覧ください。
▶事例1/コンサルティング業務も行う公認会計士が選んだRe:ZONE
▶事例2/一人で始める税理士開業、その第一歩はRe:ZONE松山から
まとめ:公認会計士の開業はレンタルオフィスも選択肢に
公認会計士の事務所は形態に関する法律上の定めが少なく、個室型のレンタルオフィスでも安心して開業登録を進められます。
自宅住所を公開せず、初期費用を抑えて独立できる点も心強いところです。ただし、税理士登録を併せて行う場合は事務所の実態が問われるため、個室を専有できる施設を選ぶと安心です。
事務所登録や法人登記への対応、会議室の有無、防音とセキュリティの水準をひとつずつ確かめながら、長く安心して業務に向き合える拠点を見つけてください。



