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レンタルオフィスで訪問介護は開業できる?設備基準と物件選びの注意点

業種別コラム

レンタルオフィスは訪問介護は開業できる?

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訪問介護事業の開業を検討する際、初期費用を抑えるためにレンタルオフィスの利用を考える方もいるでしょう。ただし、訪問介護事業所は介護保険法に基づく「指定」が必要で、設備基準が細かく定められています。一般的なレンタルオフィスではこの要件を満たすのが難しいケースが多いため、慎重に判断することが重要です。

本記事では、訪問介護事業所の指定に必要な設備基準と、レンタルオフィスで開業を検討する際の注意点について紹介します。

レンタルオフィスでは訪問介護事業所の指定取得は難しい場合が多い

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結論として、一般的なレンタルオフィスでは訪問介護事業所の指定取得が難しい傾向にあります。訪問介護事業所の指定要件には、人員基準・設備基準・運営基準という3つの基準があります。設備基準とは、介護保険法上で「専用区画」「手指洗浄設備」「鍵付き書庫」「相談スペース」といった条件のことです。

これらの要件は共用前提のレンタルオフィスとは構造的に相反しやすく、事業所として認められにくいのです。ただし、専用の手洗い設備が確保できる完全個室タイプの物件や、鍵付き書庫を設置できる契約形態であれば、認められる可能性は高まります。

最終的な可否は各自治体の指定権者(都道府県もしくは政令指定都市)の判断に委ねられるため、事前に相談する必要があります。

訪問介護事業所の指定に必要な4つの設備基準

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訪問介護事業所の指定要件は、厚生労働省令にて以下の通り定められています。

「指定訪問介護事業所には、事業の運営を行うために必要な広さを有する専用の区画を設けるほか、指定訪問介護の提供に必要な設備及び備品等を備えなければならない。」

引用元:指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(第7条)

上記基準を踏まえ、各自治体が条例で細目を定めます。設備基準の中核として、以下4点が挙げられます。

  • 専用区画(事務室)
  • 相談室・相談スペース
  • 手指洗浄設備
  • 鍵付き書庫

専用区画(事務室)

訪問介護事業所には、事業運営に必要な広さの専用区画(事務室)が必要です。面積などの具体的な規定はありませんが、事務作業を行える机と椅子、書類を整理する書棚などのスペースが求められます。

他の事業と同じ事務室を使う場合は、当該事業専用の事務机を1個以上確保した上で、カーテンやパーティションでエリアを明確に区分することも重要です。

相談室・相談スペース

利用受付や利用者、家族との相談用スペースを設ける必要があります。プライバシー確保のため、個室または間仕切りなどを設置し、外部からの視線や騒音が遮断された環境が求められます。他の事業の事務所と併設する場合は、相談室の共有が可能とされています。

手指洗浄設備

感染症予防の観点から、事業所内に手指を洗浄する設備が必要です。他事業者との共用が認められない点に注意しましょう。ワンフロアに複数のテナントが入居するなど、手洗い設備が共有の場合は、ポータブル型洗面台等の別途設置が求められる場合もあります。

鍵付き書庫

鍵のかかる書庫は、利用者の個人情報を保管するために必要な設備です。事業所にはさまざまな人が出入りするため、個人情報保護の観点から多くの自治体で必須要件とされています。

レンタルオフィスで設備基準を満たしにくい3つの理由

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一般的なレンタルオフィスが訪問介護事業所の指定要件を満たしにくい要因は、主に以下3つの項目です。

  • 手洗い設備が他の契約者と共用になりがち
  • 完全個室でも改装や備品設置の自由度が低い
  • 相談室・相談スペースの確保が難しい

手洗い設備が他の契約者と共用になりがち

完全個室のレンタルオフィスであっても、多くはトイレや給湯室を他の入居者と共用する設計です。前述の通り、訪問介護事業所では手指洗浄設備の共用は認められておらず、専用の洗面設備を確保する必要があります。

完全個室でも改装や備品設置の自由度が低い

レンタルオフィスでは、原状回復義務や設備の持ち込み制限といったルールが課される場合があります。また、鍵付き書庫や相談スペース用のパーテーションを設置できるかどうかは、施設や契約などによって異なります。

相談スペースの確保が難しい

小規模なレンタルオフィスなどでは、相談スペースの広さを確保できないパターンが少なくありません。プライバシーを確保するためには最低限の区画が必要となり、十分な広さを取れない物件では設備基準を満たすことが難しいでしょう。

自治体別の訪問介護を開業する際の留意点

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訪問介護事業所の指定は、原則として都道府県知事または中核市・政令指定都市の市長が行います。指定権者によって細かな基準の運用が異なるため、エリアごとの相談先を事前に把握しておくことが重要です。

大阪府の場合、大阪府指定居宅サービス等基準条例第九条で「指定訪問介護事業所には、事業の運営を行うために必要な広さを有する専用の区画を設けるほか、指定訪問介護の提供に必要な設備、備品等を備えなければならない」と定められています。

また、奈良県や兵庫県では、原則として都道府県が指定権者ですが、奈良市、神戸市などの中核市に事業所を置く場合は当該市が指定権者となります。いずれのエリアでも、物件契約前に「この物件、この平面図で事業所指定が下りるか」を事前に確認しておくことで、契約後に手戻りするリスクを減らせます。

訪問介護事業所に関するよくある質問

ここで、訪問介護事業所についてよくある質問とその回答を紹介します。

訪問介護事業所の指定取得にはどのくらいの期間がかかりますか?

申請から指定までは通常2〜3ヶ月程度かかります。よって、事前相談から書類準備、申請、審査までの期間を逆算して、物件契約のタイミングを決定しましょう。物件を先に押さえても、指定取得までは介護報酬が得られず、家賃の負担が長引く可能性もあるため計画的な準備が必要です。

自宅兼事務所として訪問介護事業所を開業できますか?

自宅兼事務所で訪問介護事業所を開業できます。ただし、事務室として独立した区画を確保する必要があり、リビングなど生活空間の一部を事務スペースとすることは認められません。加えて、手指洗浄設備や鍵付き書庫、相談スペースの要件も満たす必要があります。

レンタルオフィスを契約してから設備基準を満たせないと分かった場合はどうなりますか?

指定申請を断念するか、別物件へ移転するかのいずれかが現実的な選択肢と言えます。新たに事業所を探すとなると、経済的・時間的な損失が大きくなるため、必ず事前相談を行いましょう。

まとめ

訪問介護事業所を運営するためには、設備基準を満たした物件が必要です。レンタルオフィスで開業できるかは、物件の構造と契約条件、指定権者の判断などによって異なります。一般的なレンタルオフィスは手洗い設備が共用で、相談スペースの確保などがハードルとなり設備要件を満たせないケースも少なくありません。

また、契約後に設備基準を満たせず、指定取得が不可だとわかった場合は、事業計画に致命的な影響が及びます。設備要件と地域のルールの両面から、慎重に物件選びを進めることが重要です。

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